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闘神さまが微笑った-1
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◎闘神さまが微笑った
「世界一の~」から望夢たちが友情出演しています。
「花の人」は牡丹の化身キリちゃんです(・∀・)
――――――――――
昇段試験の朝、シロん家に祀られている闘神さまの像にお詣りした。
武道の家系だから闘神さまなのかな。
シロん家に遊びに行った時にはよく朝晩挨拶してたんだ。
もちろんいつ会っても平常運行の無表情。
だけど、昇段試験の朝だけは違った。
シロん家の闘神さまがニコッと微笑ったんだ。
「!」
俺、今日は絶対うまくいく!!
試合に勝ってシロとお揃いの刺繍が入った黒い帯を締められるんだ!!
意気揚々とアップゾーンに向かって身体を温めていたら、緊張感がじわりじわりと自己主張を始めてくる。
「もう無理っ」
始まるまでシロの部屋に避難しとこう。
俺にとっての安楽の地はあそこしかない!
だれにも干渉されずにひとりでゆったり過ごせるんだ。
その筈だったんだけど……。
こんな時に限ってシロが矢鱈めったら構ってくる。
シロに撫でられるのは好きだけど、今は放っといて欲しいんだから!!
「葵琉……」
俺に振り払われた手が行き場をなくしてシロの膝に着地した。
お願いだからそのまま大人しくしといて。
シロは静かになった。
だけどそっから今度はまさかの虎太郎がわけのわからないトラブルを持ち込んで来るし……。
この二人のメンタルは鋼鉄で出来てるんじゃないの!?
闘神さまが微笑った事を思い出せればちょっとは緊張とかピリピリ感もほぐれたかもしれないけど、頭の奥の奥の奥に行っちゃってた。
結局このわけのわからないモヤモヤモヤとした気持ちのまま時間が来てアップゾーンに足を運ぶ羽目に。
「メンタル鋼鉄兄弟め~」
据わった目で呪いの言葉を口走りながら廊下を歩く俺とすれ違った幼稚園児は猛ダッシュで逃げていった。
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