アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
闘神さまが微笑った-3
-
あれ……?
空気を取り込むと畳の匂いが胸いっぱいに広がった。
寝たふりをしてたらいつの間にか本当に寝ちゃってたんだ。
考え事しながら寝たから、シロの帯の刺繍が「eiennodoutei」になってる夢を見た。
反対側の名前の所はちゃんと「SHIRO.S」だけど、所属が「童貞」。
思い出すと口の辺りがムズムズする。
他の支部の生徒は「○○支部」って入れてあるけど、シロは本部の人間だから「沢井流」の文字なんだ。
俺が憧れてた刺繍の帯。
所属「童貞」でもいいから「MAMORU.Y」の帯が欲しいな。
悠夜おじちゃんに頼んだら作ってくれるかな。
あ、何か涙が出そう。
帯の事考えたら涙が沸きあがってきたから、無理くり童貞に意識を持っていった。
『永遠の童貞』か……。
これも俺にとっては愉快な話題ではなかったけど帯ネタよりはマシだから。
不名誉なレッテルの一因が俺にあるのもわかってる。
恋人同士なら自然とそういう関係になるのが普通なんだ。
でも、そんな事しなくても俺はただシロの傍に居れたらそれだけでいいんだけどな。
一緒に毎日を平和に穏やかに過ごせるだけで嬉しいんだ。
シロは?
シロはどう思ってる?
仰向けになって、タオルケットの上に手をぽすんと置いたシロに心の中だけで問いかけた。
掌とタオルケットの間に指を滑り込ませてみるとシロの呼吸が間近で感じられる。
「んっ」
一瞬シロの寝息が止んだけど、直ぐに小さく「んーっ」って唸った。
ギュ。
真ん中の3本の指だけシロに捉えられて指の腹で探られる。
指に汗が滲む感覚があってシロの手から引き抜くと、俺の指を掴んでた形に空洞がぽかんと残った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
54 / 86