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闘神さまが微笑った-4
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『おれのゆめ』
そこまで書いて手が止まる。
ハッピーセットに付いてきたおまけに「きみの夢を書いてみよう」ってシートが入ってた。
いつもシロと一緒に練習に行っていた時間。
「がんばれ~」
空気の抜けてへにゃへにゃに萎んだ風船みたいな声でシロを見送って、シロの勉強机にぺしんと座って自分の夢に思いを馳せる。
「夢……か~」
ちょっと前までは、シロと一緒に沢井流で先生をするのもいいなと思ってた。
今までの昇級試験は順調にパスしてきたから。
あーあ、試験受かりたかったな。
悠夜おじちゃんが「うちは今、指導者が飽和状態だからな。指導者が足りてない流派に行けばすぐ黒とれるかもな」って言ってた。
でも、シロと一緒じゃなきゃ意味がないんだ!!
ウジウジ悩むのは男らしくないってのは分かってるけど、一人になるとこうやって気分がどうしようもなく落ち込んでしまうんだ。
目の前に垂れ籠めた靄のようなやつが日に日に濃くなってきたある日、シロから「流派間交流オープン大会」が開かれると聞かされた。
「色んな流派の人が沢井流のルールで闘うんだよ」
組み手だけじゃなく、型や板割りもあるんだとか。
「オープン戦だからな、他の武道からも参加するから楽しいんだよ」
「ふーん」
「昔沢井流に居た人も集まって来るんだよ。うちの爺ちゃんより年上の人も居るしな」
「ふーーーん」
大会があるとその前後はシロが忙しくなるからちょっとヤだ。
シロが机で何かカリカリ書いてるから後ろから覗き込んだら何故か大会の参加申請書に俺の名前が書かれてた。
「はぁっ!? 何で俺が出る事になってるの!?」
「いいじゃん、お祭りみたいなもんだからさ」
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