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キケンなお詣り-2
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神社に着く前からソワソワしていた虎太郎は、境内に足を踏み入れるやいなや「俺、ちょっと用事が」とだけ言ってそそくさと去っていった。
もちろん行き先はお守り売り場だろうな。
競歩の選手になれるんじゃないかって勢いで突進して行くのを見てるとまさに恋は盲目だなあって思う。
……って、他人事じゃなかった、俺も一応恋してるんだった。
俺も、シロとの仲を保つためにはこれぐらいしなきゃなのかな?
最近シロが忙しくて遊んでくれないのも、俺の恋愛に対する姿勢がなってないから!?
俺もお守り買おうかな……。
「ちょっとだけ行ってみよ」
別に買わなくても見るだけでもいいし。
虎太郎と一緒に来たんだからやっぱり一緒に行動した方がいいだろうし。
理由をいくつも用意していざお守り売り場に向かって歩きかけたけど、待てよと立ち止まる。
こういう時って先にお詣りするもんじゃないの?
虎太郎は順番すっ飛ばしてお守り売り場に直行したけど、俺は買いに行く前にやっぱりお詣りしとこう。
名前は何ていうのか知らないけど、でっかい水溜のところへ行って手を洗う。
「シロ……」
手に水を掛けた瞬間シロの姿が頭に浮かんだのは、軟らかい水の感じがシロん家のお風呂に似てたから。
シロは今ごろ練習の真っ最中かな?
早く会いたいな。
濡れた手をハンカチで拭いながら向かうのはいちばん大きいお堂。
シロの事をじっと想いながら歩いていた俺は、すぐ側に知らない人影が忍び寄っているのに全く気付いてなかった。
「そのネクタイ」
「?!」
お賽銭を入れようとしていたところ真横からいきなり声を掛けられて、手に持っていた小銭を転がしてしまった。
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