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悪鬼襲来-1
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◎悪鬼襲来
「天翔演武-8~」の葵琉SIDEです。
志朗不在の沢井流学園にあいつがやって来る!?
――――――――――
3年生最後の風紀検査はめっちゃ厳しく見るから、2代前の風紀長が本検査と生指預かりを手伝いに来るという迷惑な伝統があると聞いたのはついこの間。
あとちょっとで卒業なんだから大目に見てくれてもいいのに!!
シロが風紀長の時の来襲者は、影の薄い影山先輩だったからシロもすっかりこの迷惑な伝統の事を忘れていた。
シロがちゃんと覚えててくれたらなー、そしたらあんな目に遭わなかったのに!!
忘れもしないその日はすぐにやって来た。
検査の列は3列ある。
虎太郎と生指部長と桐島先輩。
俺は打ち合わせ通り虎太郎の列に進む筈だったのに予定が狂って桐島先輩の列になってしまった。
やーだーなー。
何か恐いんだもん、この先輩。
「次!」
順番が来て、桐島先輩の前に進み出た。
別に再指導になっても虎太郎が合格の判を捺してくれるだろうと、その時は気楽に考えていた。
前髪を後ろに持ってって誤魔化そうとしたけど、そんな小細工も見抜かれてたみたいだ。
「不合格」
「え」
不満が口調に出てしまったみたいで、ただでさえ厳めしい桐島先輩の顔が強張る。
「何か文句あるのか」
次の瞬間、目に鋭い痛みが走った。
「痛っ!!」
桐島先輩が俺の前髪を鷲掴みにして引っ張り、眼球に突き刺したんだ。
「ほら、やっぱり不合格だろ」
勝ち誇ったように言う先輩の顔も、視界がぼやけて見られない。
「痛ったー」
前髪を目に入れられた時にコンタクトがズレたのか更に激痛が走って、目を押さえてしゃがみこんだ。
「葵琉先輩!」
「おい、どうした!!」
異変を察したのか虎太郎の叫び声と、生指部長の太い声が頭上から降ってきた。
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