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悪鬼襲来-6
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「で、その人は先に行ってるの?」
「いや、バイト終わってからここのコンビニに来る事になってる」
ちょうど差し掛かったコンビニの駐車場におじちゃんが車を入れた。
「もう来てはる?」
「うーん、まだ来てないみたいだな」
おじちゃんは車の中から店内を軽く見て首を振った。
「悠夜くん俺カフェラテ買うてくるわ~」
「俺アイスのブラック」
「おっけー。葵琉くんは?」
「え?」
しれ~っと自分の注文もしちゃうおじちゃんに感心してたら名前を呼ばれて咄嗟に反応できないでいると鶴岡先輩はさっさと車を降りてしまった。
「俺先行っとるでおいでや」
「……」
「奢って貰えよ。遠慮するな」
「でも……」
「勝ち金でみんなに奢ると次かその次も勝てるんだと」
「へー」
コンビニに入ると鶴岡先輩は新聞やら雑誌やら沢山抱えてレジに並んでいた。
見ると競馬新聞にパチンコ必勝本。
まったくこの人は……。
「おー、来た来た。何にする?」
鶴岡先輩がメニューを指差して、あれがいいこれがいい言ってるけど、よくわからないから「先輩と同じの」と言っておいた。
車に戻ると、知らない金髪の人が乗っていた。
この人かー、鶴岡先輩の恩人というのは。
「はじめまして」
自己紹介してくれたけど、それが耳に入らないぐらい綺麗な顔立ちをしている。
声と格好で辛うじて男子ってわかるけど本っ当に綺麗な人だ。
「へー、よしつね君って言うんや。どんな字ぃ書くの?」
「源義経の義経です」
「マジでー!? 格好ええやん。あれや、あの、ほら牛若丸やっけ? 絶世の美男の」
金髪だから鶴岡先輩みたいにチャラいキャラかなと思ったけど、照れたように微笑む義経は控えめそのものだ。
どんな人が来るかちょっと心配だったけど、いい人そうでホッとした。
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