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闘神さまが微笑った-7
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今回の試合は二人が順番に演技を行って三人の審判がそれぞれ良かった方の選手の旗を上げて旗の本数が多かった方の勝ちってシステム。
1回戦は2対1で何とか勝てた。
2回戦は万全の3対0で。
絶好調で迎えた3回戦の対戦相手は――。
「え……!?」
俺の対戦相手としてコートに上がったのは花の人だった。
所属は望夢たちの大学になっているのに、何故か沢井流の道着を着て緑色の帯を締めている。
どういうこと?
何で所属が違うのに沢井流の道着着てるのって聞くと、シロはチラッとコートの方を見て「ああ、あの人か」と頷いた。
「昔、うちの道場に居たんだって」
「へ~」
醸し出していたベテラン感は気のせいじゃなかった。
「ほら、始まるよ」
本番前に他人の演技を見てしまうと心が波立つから極力見ないようにしてるんだけど、つい気になってコートに目をやってしまう。
けど。
「見るんじゃなかった」
演技が始まってからそう呟いてみてももう遅い。
とにかく凄いんだ!!
チャラそうな雰囲気なのに、動きにキレはあるし手技も足技もピタッと決まる。
ちょっと鳥肌が立ったし。
俺は赤帯で、花の人は緑帯なんだけど俺がやるのと同じ型を選んでいた。
何であれなの?
何であれなの?
何であれなの?
よりによって一緒の演目。
俺と一緒のやったら、余計に俺が下手くそに見えるじゃん。
こうなったら――。
「何で本番の型変えたの?」
シロと練習してきた型は、違うやつだった。
花の人がやったやつ。
だけど俺の完成度を遥かに上回る演技を直前に見せられて、咄嗟に別の型に変更してしまった。
それが失敗の始まり。
あー、やっぱり人の演技を見るんじゃなかった!!
沢井流を辞めてから全く練習していなかった動きをぶっつけ本番で出来ると思っていた俺が甘かったんだ。
滑り出しは順調だったけど途中で1ヶ所足の運びを間違えた。
しれーっと修正したけど、残りの演技中、これ何点引かれるんだろって不安で頭がいっぱいだった。
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