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キケンなお詣り-1(葵琉&虎太郎)
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◎キケンなお詣り
葵琉と虎太郎が訪れた神社で――。
――――――――――
「隣町に何でも願い事を叶えてくれる神社があるらしいんですよ」
「へえ~」
放課後の風紀室で虎太郎と二人きり。
大会前になるとシロが指導で忙しいから「虎太郎に遊んで貰いな」って言われる。
虎太郎を指導に行かせてシロが俺と遊んでくれたらいいのに。
……なんて言ってもしょうがないのは分かってる。
分かってるけど、やっぱりちょっとぐらいシロと遊びたいな。
「その神社行きたいの?」
「はいっ!!」
虎太郎が広げているタウン誌に載っている神社に行ってみようと思ったのは、シロが稽古で遊んでくれなくて物凄~く退屈だったから。
虎太郎のお目当てはきっと『人気No1! 恋愛が成就する話題のお守り』だろう。
ロケットキーホルダーに大事に仕舞ってあるあの人と結ばれるためには、神にもすがる気持ちなんだろうな。
誌面の中心ににデカデカと印刷されているお守りはピンクと赤の2色で、体育会系男子が持つにはかなり可愛すぎる。
でも絶対買うんだろなー。
虎太郎がこのお守りを本当に買うのかちょっと気になって、誘われるまま神社へ向けて出発した。
神社まで行くバスで並んで腰掛けていたら虎太郎のネクタイが目に入った。
「いいな、紫ネクタイ」
「これですか?」
「うん」
濃い紫のネクタイは沢井流コースだけの特権で、俺たちは黒とグレーの千鳥格子。
紫ネクタイをしてる人は、他の生徒よりも優秀に見える……っていうか実際、優秀。
風紀の再指導でも沢井流コースの人は見たことないし。
俺もちょっとだけでいいから沢井流コースの振りしてみたいなー。
特権ネクタイが羨ましいって虎太郎にせがんだら、帰るまでの間だけ交換してくれた。
このネクタイが原因であんな目に遇うって知ってたら換えて貰わなかったんだけど……。
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