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誕生日 <やまちね>
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side 山田
《ごめん、今日は帰れない》
...今年もか
一人でそう考えて胸が痛くなる
年に一度の誕生日
でも大ちゃんが帰ってくることはない
去年も、その前もそうだった
大ちゃんが仕事じゃなくて
違う人と一緒にいることはもうわかってるんだ
それをハッキリ言ってくれないから余計辛くて
何の変哲もない誕生日
一人で迎える12:00
後3秒...2秒...1秒...
一斉にケータイにおめでとうメールが入り、
同時に鳴ったインターホン
涙を拭いて何のためらいもなく開けた玄関のドア
「 はい、 」
「 涼介!お誕生日おめでとう! 」
そこに居たのは満面の笑みの知念と
たくさんの紙袋
「 知念...どうしたのこれ! 」
「 涼介こそどうしたの、泣いたでしょ 」
知念の小さい手が伸びてきて俺の頬に触れる
「 無理して笑わなくていいんだよ 」
やっぱり知念にはなんでも見破られる
たとえ何を隠しても
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