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小鳥が弟になるまで
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小鳥に突然キスされてから一週間が経過した。
宣戦布告と言っていただけあって、あれ以降、小鳥は時々キスをしてくる。
最初の数回は驚いていたのだか、わずか一週間にして、すっかり慣れてしまった。
そもそも最初から、驚きはあったものの嫌悪感はなかった。
やはり、自分は相当なブラコンなのだろう。
そんな事を考えつつ、朝、小鳥を起こしに寝室へと向かう。
「小鳥起きろー。朝飯できたぞ。」
ふわふわの猫っ毛を、かき混ぜるように撫でれば、小鳥がゆっくりと瞼をあげる。
「おはよう。」
「………おはよ。」
いつも以上にぼんやりとした小鳥の声。
小鳥の覚醒には、とても時間がかかる。
かろうじて目は開けているが、頭はまだ夢の中だ。
ごしごしと、眠そうに目を擦ると、両手が黙って尊に伸ばされる。
その手を掴んで小鳥をひっぱり起こし、抱き抱えてリビングへと連れていくのが二人の朝のお決まりのコースだ。
「ほら、口開けろー。今日の朝飯は、小鳥の好きなパンケーキだぞ。」
ソファーの上に小鳥を下ろし、一口大に切ったケーキをフォークに刺して、口の前でプラプラと動かす。
まだ寝ぼけているが、口はきちんと開けるので、サクサク朝食を食べさせていく。
小鳥は、一般的な同年代の子供より、だいぶ手がかかる。
大人顔負けにしっかりしているところもあるのだが、身の回りの事は、ほとんど一人ではできない。
たいていの事は、尊に任せきりだ。
小鳥本人に変わる気はないし、尊も小鳥はこのままでいいと思っている。
もくもくと口を動かす小鳥を見ながら、そう言えば、初めて会った日も、こんな風にパンケーキを食べさせたなと、2年前の事を思い出した。
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