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怒れる暴君2
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ひんやりとした空気が素肌に触れる感覚で、小鳥は目をさました。
ゆっくり瞼を上げたものの、まだ眠りの中に居るみたいに世界がぼやけて見える。
ぼんやりとした視界に写る景色には見覚えがなかった。
多分、ここはどこかのマンションの一室で、小鳥はベットの上に寝かされている。
視界をはっきりさせようと目を擦ろうとして、手が動かせない事に気付く。
どうやら紐のようなもので拘束されているようだ。ベットに固定され頭上で左右の手を一纏めにされている。
制服のシャツと下着以外の衣服は脱がされていて、シャツのボタンも全て外され肌がむき出しになっていた。
どうりで寒いと感じたわけだ…そんな、緊張感のない事を考えている場合ではないのだが、どうも霞がかかったように頭が働かなかった。
体にも思うように力が入らないので、もしかしたら何か薬を使われたのかもしれない。
「おっ!お目覚めか?」
声がした方へ視線を向けると、六道が立っていた。
「…俺、に…何をした…?」
上手く言葉も話せず、途切れとぎれになりながら聞けば、そんな小鳥の様子に六道がニヤニヤとあの嫌な笑みを浮かべる。
「お~結構効いてるみたいだな~。チョット体に力が入らなくなる薬を使っただけだ。心配しなくても、危ないやつじゃねーよ。」
ベットに横たわる小鳥の顔の両サイドに手をつき、覆い被さるような姿勢で六道に上から見下ろされる。
「効き目もそんな長続きしねーから、薬が切れるまでお兄さんと遊んでくれよ。」
視界に六道を入れたくなくて顔を背けると、顎を掴まれ無理矢理もとに戻された。
「…触るなっ。」
「さすが清峰の弟。ぼんやりしてるかと思ってたけど、案外気ぃ強いんだな。」
精一杯強く睨み付けても、六道を喜ばすばかりだった。
「ずっと、この白い肌に触りたいと思ってたんだ…」
熱に浮かされたように呟き、六道の手がむき出しの小鳥のふくらはぎを這う。
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。
怖くはない。だって絶対に尊が助けに来る。
ただひたすらに気持ち悪くて、動かない体に何とか力を入れて足を蹴りあげるが、片手であっさりと足首を捕まえられた。
暴れたせいで、ボタンを外されていたシャツが乱れ、胸が大きくはだけてしまう。
「おっ!いぃねぇ~乳首が見えて色っぽい感じになったじゃねぇか。」
六道が、掴んでいた小鳥の足のくるぶしを舐め、空いている方の手で近くに置かれていたカメラを手繰りよせて、シャッターをきった。
フラッシュが眩しくて顔を歪めると、嫌がってる表情もそそるなどと言いながら、続けざまに数枚の写真を撮られる。
六道はまたカメラを元の位置に置き、自分の足を小鳥の左右の足の間に割り込ませて、動きを封じた。
そのままの体勢で六道は小鳥の胸に顔を寄せる。
「ーーっ!」
鎖骨の辺りを舌が這い、触られていた時とは比べようもないほどの嫌悪感に襲われる。
「やめっ」
不快な水音を立てながら、皮膚の薄い部分に強く吸い付かれて、チクリとした痛みが走った。
思いきり抵抗したいのに、言うことを聞かない体、ぼんやりぼやけたままの思考がもどかしい。
それでもされるがままなのは嫌で、拘束されている手を何とかしようと動かしているのだが、紐が擦れて手に痛みが走るばかりだ。
「無駄だって。別に痛いことはしねーから、大人しくしてろよ。」
ニヤニヤ笑い続けながら、興奮した様子の六道の手が小鳥の下着へと伸びる。
尊、尊、尊!
心の中で、唯一無二の王様の名前を呼びながら、小鳥はギュッと目を瞑った。
*******
人間、怒りが頂点に達すると逆に冷静になれるらしい。
尊が、今まさにそんな状態だ。
体の全細胞が怒りで煮えたぎったみたいになっているのに、頭だけは酷く冷めていた。
いかに早く、的確に小鳥を助け出すか。
頭の中はそれだけでいっぱいだった。
きっと小鳥は尊が来るのを待っている。尊が助けてくれるのだと、馬鹿みたいに信じて頑張っている。
六道のマンションに着くと、適当に路上に駐車して携帯を片手に車から飛び出した。
「ここか。」
携帯に表示されている小鳥の位置情報にそって部屋を割り出しインターフォンを押すが、中からはなんの音もしない。
「六道さん!居るんでしょう!?出てきてください!!」
後から追い付いてきた助が鉄製のドアをガンガン叩きながら叫ぶが、やはり中から反応はなかった。
「ーーっくそ!」
「…助、どけ。」
ドアを叩き続ける助を押し退け、部屋の正面に陣取る。
「尊、何するつもーー」
助の言葉を遮るように、尊はドアを蹴り破った。
「ーーっ!?お前っ」
驚いて固まる助を置き去りにして、尊は部屋の中へと駆け込む。
「小鳥っ!」
そして、目の前に飛び込んできた光景に、頭の中で何かがブツリと切れる音がした。
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