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怒れる暴君5
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「まずは…足だったか?」
腰の辺りに添えられていた尊の手がするすると下がり、足の甲を撫でられる。
その手がそのままゆっくりと滑らせるような動きで、足首、ふくらはぎと、だんだん上へと移動していく。
触れていない場所がどこもなくなる位、丁寧に肌全体を撫でる尊の手に、ピクリと体が反応する。
「っ…何してるんだ?」
「んー?上書きしてやろうと思って。」
「上書き?」
言葉の意味を理解しかねて首を傾けると、尊は小鳥と額同士をくっつけて、至近距離で不敵に笑う。
「あいつに触られた所、全部俺が触って上書きしてやる。」
囁くように言われて、ドキリとした。
有言実行とばかりに、ふくらはぎで止まっていた尊の手が動きを再開する。
怪しい手つきで太ももを撫でられて、ゾクゾクとした痺れのような感覚が体を駆け抜ける。
「…ふぁ…っ!」
甘ったるい自分じゃないような声が漏れて戸惑っていると、尊が愉しそうに笑う。
「かっわいい声。」
人の事を一方的に追い詰めて、自分は余裕綽々といった態度の尊に悔しさがジワジワと膨れ出す。
「ーーっそんな所は触られてない!」
ジトリと睨み上げて抗議したが、尊はかわらず笑うばかりだ。
「本当か?さっき俺に隠し事しようとしてたし、信用できねぇなぁ。」
足のつけねをなぞられ、また体が跳ねた。
「ひぁっ!?嘘じゃ…ないっ。触られてない!」
初めて味わう感覚に落ち着かなくて体を捩って何とか逃げようと試みるも、腰を抱き寄せられて逆に更に密着してしまう。
それでもじたばたと手を動かしていると、また尊がクスクスと笑う。
「わかったわかった、暴れるなって。」
あやすように頭を撫でられ抵抗をやめると、尊の手が足から離れた。
「んじゃ、次は胸な。」
ほっとしたのも束の間、尊の大きな手が今度は胸を丁寧に撫でまわす。
「んぅっ…尊、くすぐったい…」
「がーまーんー。」
壊れ物にでも触るかのように、大事に大事に触れてくる手の動きがもどかしい。
六道はこんな風に触ったりしなかった。
好き勝手に動き回る点は同じでも、触れ方が全然違う。
丁寧すぎるくらいの扱われ方に、こんな時にどうかとは思うが、大切にされているのだと改めて実感する。
「何だ、考え事か?ずいぶん余裕だなぁ。」
「ふぁ…っ!?んッんぅ…ひッぁ…っ!」
ぼんやりしていたのを気付かれて、尊の指がいきなり胸の突起をつまみ上げた。
「やっ…めっ!ひぁッ…!み…ことぉ……ッ」
撫でられている時はくすぐったいばかりだったのに、指先でクリクリと先の方を刺激されるたび体が勝手に跳ねて甘い声が溢れ出す。
「やっだ…ッ!それっ…やぁぁ…ッ」
「嫌?そんな蕩けた顔して?」
“気持ちいいだろう?”
耳元で吐息混じりに怪しく囁かれ、ズクズクと快感が広がっていく。
気持ちは良い。それこそ、今まで感じた事がないくらいに。
摘ままれていつの間にかチョコンと先のとがった胸の突起を、少し力を入れて押しつぶされて、甘えるような声が勝手に漏れる。
「んッ…っうんぅ…んぁッ!」
初めて体験する強すぎる快感に、小鳥は頭も体もいっぱいいっぱいだ。
もうこれ以上刺激を与えないで欲しい。
「んぅぅ…ッ…ふッ…あッ…気持ち…良すぎて…ヤダ…」
「……予想外だ。まさか小鳥がこんなエロイとはな。」
あまりの快感に涙が滲んで視界がぼやける。それでも必死に尊に視線を合わせて止めてくれるよう頼むと、よく分からない事を呟いた後、尊の手の動きが止まった。
「あいつにも、その顔見せたのか?そんな声聞かせたのか?」
苛立ちを滲ませた表情で問いかけられ、小鳥は乱れた呼吸を整えつつ、首を左右に振る。
「何か、怒ってるのか?」
「俺が知らないのに、あいつが知ってる小鳥の顔とか、仕草とか…そういうの一個でもあるのかと思うと、腹が立って仕方ない。」
顔を歪め、切なそうな顔で尊が呟く。
「だから、同じことして、お前がどんな風になるのか俺も知ろうと思って。でも、やってみたらお前エロイし可愛いし。これを見られたとか、今すぐあいつぶっ殺したくなるだろ?」
・・・同意を求められても困る。
「…あの人に触られた時はこんな風に気持ちよくなんてなかった。だから…変な声とかは出してない。」
顔は自分では見えないので、よく分からない。
だが、ふと六道に言われたある言葉を思い出す。
「…あの人に、言われた。“嫌がってる顔もそそるな”って…。される事、全部が気持ち悪くて、ずっと嫌そうな顔をしてたんだと思う。」
「……。」
けれど今は違う。嫌がってはいるが、それは気持ちが良すぎて、どうしたら良いのか分からなくなって困るからだ。
これだけ感じ方が違うのに、六道に触られた時と今で同じ顔をしているとは思えない。
たどたどしい小鳥の説明を、尊はただ黙って聞いている。表情の晴れない尊を何とかしたくて、小鳥は更に言葉を続けた。
「俺が、こんなに気持ちいいのは、きっと尊に触られてるからだ。尊じゃなきゃ、こんな風にはならないんだと思う。だから、尊に今見せてる“そんな顔”っていうのは、あの人には見られてな…」
ないと思う。と、続くはずだった言葉の変わりに、上ずった甘ったるい声が部屋に響いた。
「ーッ!?ひぁ…ッ!ぁッ…なっ、にッ…!?」
黙って話を聞いていた尊が、突然胸の突起に舌を這わせ始めた。
「ヤぁ…っ…ッぁ…んーッ!んぁぁ……」
乳首全体を口に含まれ、先っぽを舌で転がすように刺激されて、ビクビクと体が震える。
もう片方の乳首も、指で摘まんで軽く引っ張ったり、やんわりと押し潰したりを繰り返されて、もう何も考えられず、喘ぐ事しか出来ない。
「やぁ、ぁっ!んっ、んン!ぁ…っ」
薬を使われてもいないのに、体の力が全部抜けてふにゃふにゃになっていく・・・
「みっ、ことぉ…っ!みこ、と…っ!や、ぁっ!ひぁ、ぁ…ッ」
瞳に溜まっていた涙がついに溢れだし、ポタポタと湯船のなかに消える。
目の縁に残った涙を、尊が唇でそっと吸いとった。
俯いて、尊の口から解放された胸に視線を向けると薄い桃色だったそこは、真っ赤に色ずいていた。
「赤くなっちゃったなぁ。熟れた果物みたいで、うまそうな色…」
そう言うと、尊の唇はまた胸元へと移動して、鎖骨や首筋に吸い付いてくる。
少し強めに吸われているのか、尊の唇が寄せられる度、肌にチクリとした痛みがはしる。けれど、その痛みすら今の小鳥には酷く心地いい。
しかし、唇が再び胸の突起へと近付いてきて、小鳥は焦りだす。
今、そこを吸われるのは困る。そんな事をされたら、変になってしまう。
「尊、ッ、ちょっと、待っ…」
「待たない。」
そうして、ジュルジュルと水音をたてながら、赤くとがった粒を強く吸い上げられた。
「ふぁ!?ひっ、…あっ!ア、んぁ…っ、んっ!あっ、あぁ…ッやぁぁっ!」
気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい。
もう、それしか分からない。
「ヤ、あぁ!んっ!ヤ、ヤァ!み、ことぉ…ッ!」
気持ち良すぎて辛い。けれどそんな気持ちとは裏腹に体は勝手に動いて。
もっととねだるかのように尊の口に胸を押し付けてしまう。
「んぅぅーッ!ふッ、ひぁ…!や、やっ、やぁ…っ」
何度も角度を変えて左右の胸に貪るように吸い付かれ、甘ったるい声と涙が止められない。
力が抜けて、完全に体を預ける小鳥に、尊はようやく胸から口を離した。
「あーあぁ、そんな顔して…さすがにやりすぎたか?」
額に張り付いた小鳥の前髪を払いながら尊が何か言っているが、頭がぼんやりして、その声ももうよく聞こえない。
蕩けきった頭で考えられる事は一つだけ・・・
小鳥は、力の入らない腕をゆるゆると持ち上げて、髪を撫でていた尊の手を掴んだ。
「みこと…もっ…と…、もっと…して。」
気持ちいい。止めないで欲しい。
「…みこと…もっ…とぉ…」
「ーーッ、」
涙の滲んだ目で必死に見上げて懇願すると、尊は驚いたように目を見開いて固まった。
「…みこと?」
早く、もっと・・・そんな気持ちを込めて掴んだ手の力を強くすると、困ったように眉尻を下げて尊が苦笑する。
「ほんっと、予想外だよ、お前。」
「……?」
「…何でもない。りょーかい。仰せのままに…」
さっきまでの困った表情は引っ込めて、いつもの不敵な笑顔を浮かべると、尊はまた思いきり小鳥の胸に吸い付いた。
「ーーッ!…ひっ、ひぁァッ、あっ、あっ!!あぁぁ……ッ!」
身体中の細胞がザワザワと粟立つような快感に襲われて・・・
小鳥の意識はそこでプツリと途切れた。
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