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6話 騒がしい学園生活1日目
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『『『『朝だよ~~、起~き~て~!!!』』』』
「………煩い(怒)」
『『『『きゃぁぁぁぁぁww! 』』』』
書類の山に埋もれていた俺は、不機嫌そうに体を起こし、乱れた髪をかきあげて妖精達を恨めしげに睨んだ
夜遅くまで書類を手伝っていたので寝不足だったのだ……殺気が漏れても仕方がない
普通なら殺気と視線の冷たさに震えてしまうのだが、妖精達にとっては慣れたもの
クスクス笑う妖精達を手で払い退け、洗面台で顔を洗う
すると、妖精の1人が近寄り髪に手を伸ばした
『髪、結ってあげる〜』
「駄目」
それをさっと阻止し、手早く髪をとかし、後ろで一つに編んでいく
魔力が強い者の髪は魔力を帯びている為、妖精達は欲しがる
許可がないと持っていけないから、結ってあげると近づいて髪を持っていくのだ
髪は非常時の時に使える為、持っていかれたら大変だ
「あーあ、書類がぐちゃぐちゃや…」
洗面所から戻ると、さっきまでいなかったツバサが、書類をかき集めていた
「お、おはようさん!飯こうてきた!」
洗面所から覗いている俺の視線に気付き、ニッと笑い机に置いてある弁当を指で指す
グー…と腹が鳴り、急いで弁当を取りに行く
「あ、そんな汚いテーブルで食べるな!ちょっと拭くから待っとき!」
既に食べようとしていたマオとクウリが不満げに弁当を見る
あの後、保健室で待っていたツバサと合流した後、その場で俺とツバサはマオに生徒会補佐に任命された
そして、その日から書類整理や報告書の作成をやらされた
任命された初日(しかも夜)から、書類や報告書に関わらせられるとか…ブラックだ…
しかし俺はともかく、ツバサが1度教えられただけで仕事を覚え動いていたのには驚いた
お陰で話し合いが必要なもの以外は全て終わった
そしてついでに仲間の絆が深まった
最初はマオとクウリに敬語を使っていたツバサが、今やタメ口となっている…親衛隊とやらに目をつけられないだろうか?
「おはよう」
マオの向かい側に座るとニヤリとマオが笑いかけた
その笑顔はとてもカッコよく…じゃなく!気に入らずに俺は眉を顰める
「流石だな。ノイズのお陰で面倒な仕事が全て片付いた」
「…今はクリアだから。それに、もう仕返しはしたみたい?だから怒りは無いけど、仲間だと認めてないから」
「あぁ。どんな理由であれ、俺はお前を裏切った。すぐに仲間と認めてもらえるとは思っていない。…俺は償いも含めて必ずお前を守る。だからお前はただ、生徒会長である俺を上手に使えばいいんだよ」
…はぁ。そういうの苦手だって知ってて言うんだからタチが悪い。
「こき使ってやるから覚悟しろよ。魔王様」
「…お前…マオと呼べ、マオと」
魔王とマオ…ねぇ
「そんな変わんないじゃん」
「うっせぇよ」
グリグリと頭を撫でられた俺は、赤くなった頬を隠そうと、弁当をかきこんだ
「ほら、お茶。喉を詰まらせんようにな」
ツバサがお茶が出す
一口飲んでみると、程よい熱さだった
「あ、食べ終わったらデザート選んでな。朝からまた頭使うから必要やろ。糖分補給や」
そう言ってプリンやゼリーを並べる
俺とマオとクウリは細かい気遣いに感激して、口を揃えて礼を言った
「「「ありがとう。母ちゃん」」」
「誰が母ちゃんや!!」
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