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「あ、峰塚さん。こんばんは。お仕事お疲れ様です」
「…こんばんは。お疲れ様」
今日も、相変わらず新作BL漫画のコーナーに釘付けの峰塚さん。
名前を呼んではみたものの、特に話すこともなく…。
2人の間に沈黙が続く。
俺、何で声かけたんだろ…。
最近は、峰塚さんの方から声をかけてくれることも無くなったし。
このあいだの一件から、なんとなく…気まずかったりする。
「ああ、居た居た。君。このあいだ頼んでおいた物はまだ届いていないのか?」
「えっ?」
悶々としながら、本棚の整理をしていた俺の頭上から声が聞こえ、上を向いて返答する。
何処かでみたことがあるような、ないような…
スーツを着た小太りのおじさんが眉を寄せて俺を見ていた。
「え、じゃないだろ。2週間前に予約した漫画だよ!店頭に届き次第、連絡すると言ってたじゃないか!」
あっ、ヤバい。
確か、あれは…例の峰塚さんと腐男子がどうとか言ってた日だ。
あの後、いつも通りに定時で上がって…
予約するの忘れてた。
「お客様、大変申し訳ございません!取り寄せの予約がまだ出来ておりませんでして…!」
「は?」
「すぐに他の書店に確認いたしますので…」
「まだ出来ていない?どういうことだ!君は予約の一つすら出来ないのか⁉︎」
「大変申し訳ございません…!」
「見たところ、研修生や新人でもあるまいに…全くこの書店はどうなってるんだ!」
人をコケにする言葉をいい並べる、小太りのおじさん。
俺の背中にその言葉が重くのし掛かっていく。
でも、俺のミスが原因な訳で…
俺はただ、頭を下げて「申し訳ございません」という言葉を並べることしか出来ない。
そんな時、俺の背後から聞き慣れた声が聞こえてきた。
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