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「峰塚さん、『りゅう』って作家さん好きですよね」
「…よくわかったな。俺の1番お気に入りの作家さんだ」
「へぇ、何処がいいんですか?」
「この人の描く絵はどこ子も可愛い。癒し。俺のオアシスだ。それに、ストーリーも何処かグッとくる内容で心を揺さぶられる」
峰塚さんはそう熱弁しながらも、色んな作家さんの新刊を片手に何冊も抱えている。
今日は欲しかった新刊の発売が被っていたらしく、カゴが要るんじゃないかという程の量を購入するらしい。
この人、本当に好きだなぁ。
あのお騒がせ事件から早1ヶ月。
あれ以降、俺たちの関係は深まったらしく…。
今では毎日たわいもない会話をしたり、仕事帰りに時間が合えば、同じ方角まで一緒に帰るようになっていた。
「あ、でも、そのお気に入りの作家さん。最近人気が上がってきたみたいで、いつも新刊が届くと、すぐ売り切れちゃうんですよね」
「ああ、確かに…」
「まぁ、少年誌よりは発行部数が少ないので、入荷数も制限されてしまうから、仕方ないんですけど」
「…江野くんは、前よりこのコーナーのことが詳しくなったな」
「そりゃ〜いつも、峰塚さんのこと見てるから、わかっちゃうんですよね!へへっ」
「へぇ、そうか」
以前までは全然知らないジャンルだったけど、峰塚さんと一緒に居ると、自然にそういったことが耳に入るというか…。
まぁ、少しそっちに関して勉強してるのも、嘘じゃないけど。
少し大袈裟に鼻を擦って得意げな顔をみせると、峰塚さんは俺に少し微笑んでくれた。
ん?何だろう、この感覚。
心が、ふわふわする…?
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