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5.2
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「江野くん?江野くーん?」
「はっ、はい!」
屈んで、入ったばかりの新刊をコーナーに並べていると、菅野さんが背後から声をかけてきた。
その声に驚いて体がビクリと跳ねる。
いつも明るい菅野さんは、ただでさえ声が大きいから、背後から声を掛けられると大抵の人は驚いてしまうんだ。
「どうしたの?最近、なんか上の空じゃない?」
「えー、そうですかー?」
「そうだよー!いつもの江野くんじゃないもん」
「はは…そう、見えますか…?」
「何か悩みがあるなら、この私に相談しなさいよ!」
自分の胸を叩いて、私頼りになるんだからと俺にウインクをむける菅野さん。
漫画を取り置きしてくれた件といい、この人にはいつも助けられてばかりだ。
俺にとっては、頼りになるお姉さん的存在と言ってもいいだろう。
でも、今回の件はちょっと相談し辛いんだよな…。
「ん〜いや、大丈夫です…」
「何よー私じゃ相談する気になれないって言うの〜?」
「えっ、うわっ、いや、そう言う訳じゃないんですよ…⁉︎」
肘で俺の脇腹をゴスゴスと突いてくる。
運動とかしてるから、ある程度は筋肉付いてる筈なのに…結構痛い。
というか…
「初めて読んだBL漫画で、主人公を峰塚さんと重ねてしまい、結果的に抜いてしまいました。これって、どういうことなんでしょうかね?自身も知らなかったんですが、俺って男でもイケたんでしょうか?」
なんて…
相談出来る訳ないだろ…‼︎
深い溜息をつくと、菅野さんは俺の肩を思い切り掴んで、ニヤリと笑った。
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