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5.3
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「その悩み…当ててあげよーか?」
「いや、絶対当てられないですよ…」
「ズバリ恋の悩みでしょ?」
「えっ」
「そして、そのお相手は〜」
「えっ、ちょっ」
「あの腐男子サラリーマン!」
ニヤニヤした顔で俺を指差す、菅野さん。
店内に響き渡るその声量に、お客様の視線が、指をさされた俺に集まる。
注目されている恥ずかしさからなのか、
よくわからないが、俺の顔は段々と赤くなっていく。
「いっ、いや!あの!俺は別にそんなんじゃ!」
「え、違うの?いつも楽しそうに話してるし。プレゼントも渡したりしてるから、てっきりそうなのかと思ったんだけど」
「…えっと。側から見たら、そうみえるんですか?」
「そりゃあ、もう‼︎」
目を輝かせながら何度も頷く姿を見て、そんな風に思われていたのかと、驚愕した。
俺が…峰塚さんに恋をしてる…?
確かに、菅野さんの言うことも一理ある。
好きなら、その人のことを妄想して抜いてしまうのは可笑しな話じゃない。
一般的な男性なら、そんなこと一度や二度、いやそれ以上あるってもんだ。
でも、彼は男であって。
そして、リアルの男同士はムリだと言っていた。
仮に俺が恋に落ちたとしても、向こうは俺のことを恋愛対象として考えたことは微塵もないだろう。
峰塚さんの反応が目の前に浮かび上がる。
きっと唾を吐き捨てられ、罵倒されるのが良い落ちだ。
「いや、そんなはず…」
「江野くん、気付いてないの?」
「何を、ですか?」
「あのサラリーマンの人と話してる時の江野くんって。凄く嬉しそうな…幸せいっぱいの顔してるんだよ」
「…えっ」
「おい!菅野!お前は…」
先程の菅野さんの大きな声を聞きつけ、店長が駆けつけきた。
菅野さんの襟首を掴んでレジの奥へと入って行く姿を見ながら、俺は呆然とその場に立ち尽くす。
第三者目線から見たら、
俺って、そんな顔してたんだ…。
そして、峰塚さんを妄想して、抜いてしまったことも事実であって…。
もしかして…
俺って…
「峰塚さんのことが好きなのか?」
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