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「江野くん。次の休みって、いつ?」
「え?」
振り返ると峰塚さんが頬を掻きながら、無表情で俺を見つめていた。
峰塚さんは、こうして自分から歩み寄ってくれる優しい一面がある。
あの時もそうだった。
お客様と従業員の関係だと言われて、俺は本気でショックだったけど、結果的に俺の気持ちを優先して、漫画を受け取ってくれたのだ。
まぁ、若干俺が押し付けた感もあったりするけど…。
「この間はありがとう。漫画、大切にする」
「そっ、そうですか!お気に召していただけたようで、俺も嬉しいです!」
「漫画」という、その言葉にハッとなる。
峰塚さんが喜んでくれたことは、とても嬉しいです。
でも、ごめんなさい。
俺は、その峰塚さんに差し上げた漫画を読んで、色々とヤらかしてしまったんです…。
なんて、言える筈もなく…上手いこと笑顔を取り繕う。
「それでさ。この間のお礼とお詫びを兼ねて、ご飯でも食べに行かない?」
「え?いや、そんな悪いですよ!俺が勝手にしたことですし…そもそも、俺もお礼のつもりで…」
そっか…。
きっと、渡した漫画を突き返されたあの時、俺の顔は酷いことになっていたんだろう。
だから、気を遣ってくれてるんだ。
峰塚さん…あれから俺のこと、色々と考えてくれてたのかな。
逆に気を遣わせてしまったことに、申し訳なさを感じるが…
それよりも、峰塚さんと一緒に過ごせる時間が増えることが、単純に凄く嬉しいと思えた。
でも…本当にいいのだろうか…。
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