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「俺は大丈夫だ。江野くんも寒いだろ」
「いや、俺は中に何枚も重ね着してるんで大丈夫です!寧ろジャケットが邪魔なくらいなので」
「…本当、か?」
「そんなことで嘘つかないですよ〜。だから、良かったら着て下さい」
「そうか…ありがと、な」
寒さのせいか、少し頬を赤くした峰塚さんが、上目遣いで呟く。
か、可愛いぃ…‼︎
この顔を見て、可愛いと思わない人は世の中に、いないんじゃないだろうか。
直視出来ず、目をギュッと閉じて顔を背けると峰塚さんは首を傾げた。
「っ、くしゅん」
「…峰塚さん。袖通して下さい」
「ん?」
峰塚さんの荷物を脇に抱え、羽織っている俺のジャケットに袖を通させる。
そして…
「これなら、もっと温かいですよ…」
「…」
峰塚さんの手を軽く握り、ジャケットの中にそっとしまった。
自分でやっておきながらも、緊張でガチガチに強張る手。
自身の心臓の音が、指先から峰塚さんにまで伝わってしまいそうで、少し後悔してしまう。
嫌な顔して、殴られるかと覚悟を決めた行動に、峰塚さんは何も言わず俺にされるがままだ。
その表情はやはり読めない…。
でも、ジャケットの中で握られた俺達の手はすぐに熱を持っていた…。
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