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7.1
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「峰塚さん、お待たせしましたー」
小走りで、何時ものコーナーに見える小さな背中に駆けつけた。
今日は仕事が休みだが、この間の件で峰塚さんと夕飯を共にする約束をしている。
それぞれが書店に集合することになっていた。
仕事の日以外で会うのは、初めてだから凄く緊張するんだよなぁ。
しかも、昨日あんなことをしてしまった後だから、尚更だ。
「おー、あったあった!やっと見つかったわぁ〜」
店内に響く大きな声。
ふと視線の先に目を凝らすと、峰塚さんの隣に、色素の薄い茶髪の男性が、1冊の漫画を両手に掲げ、喜びの声を上げていた。
って、え?
そのコーナーは…もしや…
新たな腐男子発見か⁉︎
「あれ、碧じゃん!さっきぶり〜」
ん?今、峰塚さんのこと、『碧』って…
下の名前で呼んだ⁉︎
茶髪の男はニコニコしながら、碧…もとい、峰塚さんの頭をぽんぽんと叩く。
つーか、さっきぶりって…
スーツ着てるし、もしかして仕事仲間なのか?
俺の声は2人には聞こえていなかったらしく、少し離れたところで2人を見つめる。
「ああ、双海か。なんだ、お前も漫画買いに来たのか?」
「そーなんだよ。この漫画、何処の書店にも売ってなくて、探してたんだ〜。まさか、この書店にあるとは思わなかったから、ビックリしたわ!」
「ああ。ここの書店は、このコーナーに結構力入れてるんだ」
「ヘェ〜。つーか、ほんっとお前も好きだよなぁ〜どうせお前のことだから、昼飯代漫画に費やしてんだろ〜?」
「ふっ、それはどうだろうな」
双海という男と話す峰塚さんの表情が少し緩んで、
次の瞬間、ふっと吹き出して笑ったのが見えた。
…え?
今、峰塚さんが…。
見間違いかもしれないと、目を擦って確認すると、声すら出してはいないが、口元を押さえながら肩を揺らして笑っている。
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