アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
***
-
「うん、完璧に覚えた!」
「おぉ、マジか。俺まだ」
「直樹暗記とか無理だもんね。それなのになんで演劇部に入ったのさ」
「雅也が心配だったから」
「うわ、いらんお世話~」
「今回の劇の内容は…耳が聞こえない彼女と声が出ない彼氏の愛の物語だろ」
「この場合、誰が何をするかだよね。」
「耳が遠いやつは彼女な。」
「おじいちゃんかよ(笑)」
俺の名前は 中島 直樹。
高校2年の演劇部に所属。
そして、隣にいるのが
俺と昔からの幼馴染み
同じく2年演劇部の 犬塚 雅也。
俺達はずっと一緒だった。
部活も、クラスも、帰るときも。
周りが気持ち悪がるくらいのベッタリさであった。
今は小学生の頃からずっと憧れていた演劇部に入り、雅也と一緒に毎日練習している。
「耳が聞こえないって、どんなだろ」
「何も聞こえないだけだろ?」
「違う音とかするのかな?耳の奥の奥に音波的なのがあってー、鼓膜無くても聞こえる的な??」
「何言ってんのか わっかんね」
「むっ」
俺にはちゃんと耳が聞こえます。
だから耳が聞こえない奴の気持ちなんてわかんねぇ。
だから同情とかもしてやれない。
まぁ、声も同じなんだが、俺は声が出るから出ない人の気持ちなんてわからない。
人間ってそんなもんだろ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
2 / 16