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変わらない気持ち その4
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先輩が視線を外して噴水を見つめるから、僕もつられる様に噴水を見つめた。
「1人で何でも出来ないと行けないって思ってたから。………でも、一生懸命な橘君を見ていて……俺自身に足りてない所とか自分でももどかしく思ってた事とか色々考えました。」
話す先輩は何処か苦しそうに言葉を絞り出していた。
春のまだ少し冷たい風が先輩と僕の間を通り抜けていく。
何か言わなきゃって頭では分かっていても、いつもじいやや友達に甘えてばかりの僕に言えることなんてなくて…
「…橘君、……もう少しだけ俺の我儘に付き合ってもらえませんか?」
噴水から僕に目線を戻した先輩。
僕を見るまっすぐな目に捉えられて、何故か胸がドキドキする。驚きと先輩の言葉の意味もよく分からなくて、言葉を返さない僕を見ていた先輩だったけれど、不意にベンチから腰を上げて僕の前に立った。
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