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target5-7.嫌いな男
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何でこんな事になるんだ。
自意識が回復してから、俺は毎回そう思わずにはいられない。
そして、未然に防ぐ事の出来なかった自分と、意味不明な餌食にしようとする奴に、途方もない苛立ちが湧き上がるのだった。
―――――――…
―――
―――――……
雪が見回りに出てから、書類整理を粗方終えた颯都が生徒会宛ての書類を机に置く。
「お前とアイツは」
椅子に座って目線を落としていた璃空が、颯都を見据える。
「どういう関係だ?」
また其の話か。颯都は呆れて息を吐いた。
「どうもこうもねぇよ」
「本当にか?」
「…何が言いてぇんだよ」
無言で立ち上がった璃空が静かに近付いてくる。
目と鼻の先まで迫る顔を訝しげに眺めた。
「なら…俺の事をどう思う?」
そんなの…最初から決まっている。
「嫌いだって言ってんだ……」
言い終わる前に壁に身体ごと押し付けられ、塞がれた唇の隙間から舌が割り込んでくる。
強い嫌悪感に肩を押し返し、抜け出そうとするも頭と脚の位置を固定されて動けない。
口付けも激しさを増していき、どちらともない唾液が伝う。
「は…、てめ……おい!離せ…ッ!」
唇を離すと抵抗する颯都の腕を引き、無理矢理生徒会の休憩室へと連れ込んだ。
すぐさまベッドに押し倒し、唇を奪う。
激しい口付けと共に身体をまさぐる手。
颯都が何とか抜け出そうともがけばもがく程、陰茎部分を執拗に刺激してくる。
肩を押し返そうとするも、思うように力が出ずに苦戦を強いられた。
「…俺だけを見ろ、颯都」
漸く唇が離れ、形勢を整えようとした矢先の言葉。
「はぁ?」
意味が推し量れずに眉を寄せて璃空を見ると、思いがけず切なげな表情と目が合う。
それに少し驚いて、一瞬抵抗するのを忘れた。
が、身体をまさぐる手がボタンを外し、シャツを脱がそうとしたので我に返る。
「止、めろ…ッ!」
此奴は自分以外を暇潰しの遊び道具だと思っているような奴だ。
同情する必要なんかない。
強く押し返し続けるが、急激に力が抜けた。
はだけた首筋に璃空の牙が深く刺さった。
途端に突き抜ける強い感覚。
「…ッん!」
快感の波に流されまいと肩を押し返すと、それを上回る力でねじ伏せられた。
そして…気を失うまで何度となく執拗に犯された。
勘に触るニヤついた顔ではなく、何故か切なげな顔で。
幾度か、一瞬抵抗を忘れた。
此奴は人に危害ばかり加える奴で、俺も加えられている最中なのに。
…何なんだよ。
―――――――…
―――
―――――……
気が付き、身体を起こそうとするが拘束されて身動きが取れずに、否応無しに昨日の出来事を思い出す羽目になった。
最悪の目覚めだ。
「(くそ…何だってこんな目に……)おい、起きろ」
手足の自由も利かない為、一旦起こさなければいけない。
呼び掛けて何度目かでやっと反応があった。
しかしすぐにまた寝る体勢に入ろうとし、塞がれている足をどうにか引き抜いて小突く。
「…颯都、結婚式の日取りだが…」
起きたと思ったら、未だ寝呆けてやがる。
すかさずベッドに沈め、もう一度夢の中に送ってやった。
漸く抜け出せ、服を整えながら息を吐く。
…何時もの彼奴だった。
矢張り昨日の事は思い違いなのだろう。
何も心配する必要なんか……
………心配?
まさか。と自分の思考の誤りに笑った。
(あの顔が似合わないから嫌だった)
(其れだけだ。其れ以上な筈が無い)
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