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target5-19.渇き
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頭痛。
一言で言えばなんて事はないが、耐え難い痛みが颯都には訪れていた。
目眩がして、廊下を歩いていた足が少しふらつく。
その時。
靴音を響かせ近付いてきた何者かが、颯都の腕を掴み連れ出した。
「!?ッ…離せ!」
気配に鋭い颯都も痛みで気付けず抵抗も録に出来ないまま、どこかの部屋に連れ込まれる。
ベッドに押し倒され、シャツの中に男の手が侵し逃れようと藻掻く。
「止、めろ…っ!」
睨む先、霞んだ視界が赤を捉えた。
「お前、同室のアイツに手を出されたらしいな」
逃げようにも既に手足が塞がれ、自由が効かない。
対する璃空の目にいつもの楽しむ様子はなく。
ただ確かめるように颯都を見詰める。
「…何の事だ」
「お前のしょっちゅう隣にいるヤツだ。
噂になってる、相手はお前じゃないかとな」
「(雪の奴…)」
はぐらかそうとしたが、余計核心を突かれてしまった。
オマケに頭痛は無視出来ない程の痛みを増してくる。
「何でもねぇっての…俺に構うなよ」
どうでも良いから、早く退いて欲しい。
しかし璃空は目に見えて更に不機嫌になり、止めていた手でシャツの中をまさぐり出した。
「なるほどな…俺の事は拒否する割に、アイツは受け入れるのか」
「違……っあ!」
反論しようとする前に襟元をはだけられ、深く牙が突き立てられた。
「…ん…ッ」
血を啜られると意思とは無関係に身体が疼き、声が抑えられなくなる。
知ってか知らずか、璃空は颯都の感じる場所ばかりを攻め立てる。
「…、く…!」
いつの間にかシャツは半分くらい脱がされ、胸の突起を指先で刺激してくる。
その度に震える身体をどうにかしようと、颯都は力の入らない手で璃空の腕を掴み押し返す。
しかし、逆にシーツに手首を掴み返され、シーツに押し付けられる。
牙を抜くと同時に、璃空の爪が立ち上がった突起を引っ掻いた。
「…んぁッ」
思わず上がった甘い声に、颯都自身が一番動揺した。
見詰める目とかち合い、羞恥に口を噤んで直ぐに目を逸らす。
その頬が赤らんでいたのを璃空は見逃さなかったが。
隙を見てベルトを外し、下着ごとずり下げる。
「っおい!」
颯都は腕までたくし上げられたシャツに拘束される形で自由を奪われていた。
制止を掛けたが既に遅く、無防備な格好を晒す羽目になる。
「もうこんなにしてるのか」
「う、るせ…っ…」
露になった陰茎を扱かれ、先走りの音が余計に羞恥を掻き立てる。
後肛に侵入してくる指でさえ、心の底から受け入れたくないと思っているのに。
幾ら颯都が制止を訴えても、璃空が止まる事はなかった。
寧ろ拒絶すればする程、荒々しく中を掻き乱され。
鈍い頭痛の不快感と与えられる快感に思考力を奪われ、翻弄される。
背後からモノを宛がわれ、余韻で息を乱しながらも颯都は璃空を睨む。
「……ざけんな…ッ無断で入ってくんじゃねぇよ…!」
「…許可が必要か?」
「はっ、お前の粗チンなんか許可する訳…ッあ!」
颯都が馬鹿にしたような笑みを口元に浮かべれば、一気に根元まで突き入れられる。
一度慣らされたそこはすんなりと璃空を受け入れた。
他人が入ってくる感覚。
この屈辱感はちっとも慣れないし、何度味わっても、最悪だ。
「…アイツも同じように受け入れたのか」
璃空がポツリと呟いた言葉。
「は?…、ッん!」
反応する前に律動が開始され、咄嗟に歯を食いしばった。
しかし、何度も激しく出入りするそれに尚も乱されてしまう。
「あ…ッ、く、止め…!」
「…アイツと俺なら、俺の方が良いだろう」
「ん、な訳……っうぁ!」
赤い眼で颯都が拒絶を示すが、その一言が璃空の引き金を引いた。
拘束された腕を後ろに引かれ、深くを抉られる。
「颯都…俺だけを見ろ」
嫉妬心に駆られ、肌に幾つもの所有印を残す。
余裕を剥ぎ取られ、膨れ上がる感情が抑えられず、ひたすらに欲望をぶつけた。
「…く、あぁ…ッ!」
何度も強制的に果てさせ、奥に熱のわだかまりを吐き出した。
気を失った颯都の汗ばんだ肌に唇を寄せ、首筋の噛み痕に口付けを落とす。
(この渇きを、どうしようもない飢えを)
(お前以外の、誰に満たせるというんだ)
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