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男前めでたい祭りでワッショイ【書いてみました】「船山昇のレシピ」のキャラがSABUROにご来店
だからここにいる
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その後の僕は、悩んだ末に転職を試みる。
自分を置く場所を変えてみようと思えたのはSABUROの皆さんの影響だけれど、まさにその帰りに読んだ無料配布の機内誌に、その後の自分の道しるべがあったんだ。
最後に背中を押したのは、どうしてもそこに行かなくてはと思える、本当に些細なご縁だった。
今年の東京は桜の開花期が長かった。船山さん達の暮す独身寮が主催するお花見会に誘っていただき、迷わず参加した。
以前の会社とは、規模を比べること自体が大間違いなベンチャー企業。近場の普通の公園で花見だなんて、以前の僕には経験のないレジャーだ。翌日にはもう現像されて、手元に届いた宴席の写真。そこには…なんていうか、良い表情をした自分が映っていた。
手帳に挟んでいたSABUROのショップカードを手に取り、思った。あの素敵な人達に会うなら、今度はこんな良い顔の自分で行きたい。彼らが僕を憶えているかは判らないけれど、あの時のくたびれた顔と旧い名刺を記憶されているのが嫌だと思った。
そこで、近況と新しい名刺、今の同僚達との写真を送った。
今日届いたのは、その返信。桜並木の写真かと思ったその木の下には、チェック柄のシートに座るSABUROの皆さんといくつかの食べ物だろうか。変わらぬ笑顔にこちらの顔がほころぶ。東京vs北海道 お花見合戦か。
…全員集合じゃないか。この写真、お店に通い詰めているファンの人に見られたら大変な騒ぎになるだろうな。
いつものように、船山さんにコーヒーとスティックシュガーを手渡し、SABUROからのハガキを読み返す。「路頭に迷ったら働きに来て下さい 歓迎します」と書いてある。誰の字だろう…?
「…出張で行けないかなあ、札幌。」
パーティションの向こうから、船山さんが顔を出した。
「仙道さん、うちの会社でそういう独り言、危険ですよ?社長がどこからか聞きつけて、すぐ実現させようと悪だくみするんですよ。まじで。」
………な、なるほど。ありそうな展開ですね、確かに。では、言い直します!
「仕事抜きで、SABUROに食事に行きたーーーい!!」
<男前いろいろめでたい祭 おわり>
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