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はち
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月山の中学時代の話です。一旦普通の文章になります。
バレーは所詮部活に過ぎない。どれだけ一生懸命になってもいつかは終わりが来るんだ。
そう思っていたのにいつも僕の後ろにいて、びくびくしてた山口はいつの間に格好い奴になっていたんだろうか。
「ツッキーは高校はやっぱり烏野?」
帰り支度をしていると机に近づいてきた山口が僕に尋ねてきた。
「そのつもりだけど山口はどうするの?」
答えは分かっている癖に質問に質問で返す。僕も大概だなと感じてしまった。
顎に手を置き考え込む山口を急かすでもなくただ応えを待ちわびる。
「うーん、…俺も烏野にしようかな」
僕の顔色を伺う様にこっちへ一度目線を送ってから微笑した山口に酷く安堵する。
「…ふーん勝手にすれば」
どうして僕はいつもこんなひねくれた言い方しか出来ないのだろうか。また一緒で嬉しいとか下らないは幾らでも考えているのに言葉はいつも本心を露にしてくれない。曲がった性格を理解ある山口だからこそ一緒に居てくれているのだと思うと何故か空しくなる。
「正直、ツッキーが居るなら何処でもいいかな」
嘆く様にまた呟く様に不意に山口の口から零れた言葉に僕は驚いた。嫌々一緒に居てくれて居た訳じゃないのか。そうか。
「……………や、やまぐち」
「何?ツッキー」
山口は純粋な瞳で僕を見詰めると僕の名前を呼んだ。
「…ありがとね」
絞り出した言葉があまりにも単純で少し落胆した。不甲斐な自分にショックをうけたのだろうか。
いつもツッキーツッキー煩い山口は僕の性格とは正反対だ。
なのにどうしてか、一緒に居ると落ち着くし嫌いになれない。今まで仲良くつるんできた奴なんて居なかったし、こんな感情も初めてだから。分からない。
「山口が居て良かったよ…」
いつも一緒に居るからこそ居なくなったときの痛みが分かると言う。けど僕はそんな感情は味わいたくない。
何故なら
離れるなんて御免だから、ね。
と言う事があったって言うツッキーと山口の過去談でした。
明日に続きますo(^o^)o
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