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パーツ 12
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「私共の会社では 毎年誰かしら社員は異動が ございます。ステップアップして 本人も経験を積み 様々な 処で 様々なものを見て 成長して参ります。
勿論 ひとつの物事を 突き詰めてプロフェッショナル並の スキルを身につける 場合もございましょう。でも私共の会社では 皆 カバーし合えるように 色々な環境で 色々な角度から 他の仕事を見て 学んで 創意工夫や 向上心を促し 誇りを持って 会社の一員となって 貰いたいと。」
「あんたの 話は難しいな。
山科千春は くれねぇってことかよ?」
「まぁそうですね。山科千春は 大事な大事な 私の 部下です。誰にも渡しませんよ。誰にもね。大切な 人間です。例え 大金を積んでも 金には 代えられない魅力 いや わが社の 所属で。彼の帰属は この会社で。」
「でもよ、山科千春がよ 退職したら 終わりだべ。」
「辞めさせませんよ。許可しませんよ。」
「あんたも頑固だなぁ。あんたも山科千春に惚れたか?」
「なっ、はっ な 何を バカな そ
そんな こんな あの 引き抜きなんぞにね 僕としまして いや 僕個人の気持ちではなくて 会社としての 組織としての 誰でもが 答えるでしょうよっ!何を おっしゃって るんですかね?
あなたも 乱暴な考えを おっしゃる方ですね!まぁ 山科千春個人の問題では無いって ことです。僕は彼の直属のじ、上司でありまして。」
真弓が 汗をかきかき しどろもどろに なりそうになったとき
向かいの男が 横柄な態度を
ころりと変え 手を上げ
「おー 山科ちゃん。
何だよ 何で 俺に 知らせてくれなかったのよ?冷たいじゃねぇかよ。」
振り返ると 当の本人 山科千春が歩いてきた。誰かが 食堂に 知らせに行ったのだろうか?
「社長?何で ここに?
あっ 部長 すいません。
前の営業所のお得意様の 〇〇運送の社長さんです。」
するとどうだろう 横柄だった くだんの社長が 懐から名刺を取り出し真弓に 差し出した。
何なんだ?
千春が来てからの 態度の急変。
普通は さっき僕が名刺を出した時点で 名刺交換だろうが。
千春は 一瞬で 暴れ馬の如きこの人間を 普通の常識人に変えてしまった。
尚且つ 暴れ馬は 山科千春の肩を抱き テーブルから 立ち上がり 真弓から逃れるように 外に 連れ出した。
ガラス越しに 千春の耳許に 何かを話している。
やめろ離れろ
はっ!何を 心の中で叫んで?
暫く ヒソヒソに近いように話していたが やがて 手を上げひらひらして 暴れ馬はニコニコしながら帰っていった。
何なんだ?
山科千春?
山科千春に 囚われたのは 他ならぬ この僕なのか?
囚われる?
真弓は しばらく 茫然として
立ち尽くしてしまった。
やがて 千春は 真弓にぺこりとお辞儀をして 2階に 階段を上がって行った。
まだ 食事の途中だったのだろう。
真弓は 再び
机に着いて仕事を始めた
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