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パーツ 36
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別に予約しておいた部屋は 部屋の外の庭の一角に露天風呂が付いていた。
フローリングの洋間と寝室のダブルのベッド。
角部屋で 隣には今のところ宿泊客は居ないようだ。
そのフロアは廊下の反対側には 小さなサウナが並んでいたが 今晩は動いていないようでひとけは無かった。サウナの並びには 自販機が並び 一面大きなガラス張りでソファが並び 山並みや湖が見えている。
僕は軽食とワインを頼んで受け取ってから一度本来の部屋に戻っていた。
先程の話について考えていた。
確かに 千春の電話の応対は 落ち着いていて 何故か癒される。
要するに 感じがいい のだ。
それは直接話をしていても感じる。
朝は早口になっているが それでも お待ちください と言われても腹がたたない。向こうががなりたてて 急いで 苦情らしきことを言っていても 千春と話しているうちに 怒りが 鎮まってくる。
それはフロントに 怒鳴りこんで 怒りをあらわに した客にも 千春が応対するうちに 口ごもって しまいには ちゃんと頼むよ なんて 弱い抗議になっていく。
特に低い声でも無いのに。アナウンサーのように明確で滑舌よく話す訳でも無いのに。上から目線でもなく かといって へりくだった話し方でもない。丁寧で慇懃無礼なことも無い。
真摯な態度だからか?
誠実な態度だからか?
真面目な態度だからか?
それも少しはあるだろうが 何なんだ?
とにかく皆が皆 千春を困らせたくないってことなのか?
苦しいこと 辛いことを 千春にさせたくない。
つまり 誰からも 好かれて 誰もが惹かれるって ことか?
そうなら もしそうなら
誰とも 接触させたくない。
誰とも話させたくない。
誰の目にも触れさせたくない。
あー
この焦燥は
独占欲だ。
千春を
誰にも渡さないし
渡さない。
その為に
例え どんな犠牲を払っても
構わない。
一時的な 高揚感に囚われている?
違う。
違う。
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