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パーツ 43
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千春の前を扱いて 僕より先にイカせた。
切なそうに 眉を寄せて イキそう イキそう と 焦るように 困ったように 僕にしがみついた時は 千春の前に手を動かしている無理な体勢だったが 千春にくちづけをした。
イッていいよ。気持ち良くなりな。
と 言ったら 僕の腰に脚を絡めて
イクっ イクっ てそれはそれは官能的な声で
続けて 僕も 己を開放し 深く深く突き入れた。
だが その直後。
更なる快感が待っていた。
吐精した千春の中が更に熱くなり 入口は絞まり 中の蠢く感触は凄かった。もし 生身のモノが中に有ったら 僕の皮膚の細胞ひとつひとつが ぴったりと密着してその媚肉にプチプチと擦り潰されていたかもしれない。
無数の小さな生き物が四方八方 前から後ろから 右から左からざわめきながら 僕の茎を押し潰すようだった。
舌の粒々が立ち上がって包み込まれたらこんな感じかもしれないな と 僕は唐突に思ったのだった。
そして密着した胸と胸に激しい鼓動が伝わって来る。互いに吹き出した汗で身体が濡れている。だが その背中に千春が手をはわす。
真弓さん
と小さな声で うわ言のように 繰り返す。
ああ なんて幸せなひとときなんだろう。なんて充実した ひとときなんだろう。
小さな死と事後のことを表現することがあるらしいが 死どころじゃない。天国極楽 至福だ。
善かった と 囁こうとしたとき
「真弓さん 俺と こんなことに なって良かったんすか?
俺なんかと。
もし もし この先 何かあったら 嫌になったら はっきり言ってください。
嫌々 俺と 付き合って って
俺惨めだから。はっきり 嫌になったら 言ってくださいね。
俺 」
「千春?今 幸せな気持ちは無いの?
今 もう 僕と別れたいの?」
「だって。」
千春が 潤んだ目で 僕の腕の中で 見上げた。
「俺みたいな 奴と 釣り合わない。
俺 何の取り柄もないし。
真弓さんを繋ぎ止めておく自信が無いです。
だから」
「ストップ!それは僕のセリフだよ。
捨てられるんじゃ?って ビクビクしているのは僕だよ。
セックスはとにかく キスしたときから 何て相性が良いんだろう?って思ったんだよ。これ以上の気持ち良さは 無いと思う。そして 千春のこと好きだ。傲慢なところがなくて 控えめで 素直で。
これ以上 好きになったら 何もかも 捨ててしまっても構わないくらい 千春が好きだ。だから 哀しいことを言わないでおくれよね。」
「真弓さんっ!」
そう言うと 千春は 顔を上げ伸び上がるようにして 僕のくちびるに 吸い付いた。
さっき 千春の部屋でも 挿入して散々千春への気持ちも言ったし カラダを繋げたのに。
そして今 改めて千春への想いを囁いたのに。どうして 又確認してくるのだろう?
僕が信用出来ないからなのか?
僕への想いは 違うのか?僕を好きだと言ってくれたのに。
千春の 自己評価の低さ?
何故 自分に自信が無いのか?
千春は自分の魅力を分かっていない。
魅力を理解していないのは 或意味 とても危険だ。誰かの手が 伸びてこなかったのは一種の奇跡かもしれない。
無防備な千春は 誰にでも 開放的だ。
これからは 少し 警戒心を持たせて 他人から守らないといけない。
憂慮だろうか?
いや 違う。
備え有れば憂いなし。
誰にも 誰にも 渡さない。
そして 自己評価の低いこの愛しい千春に 迷いなど一切生まれぬように 愛でて いこう。
早急かもしれないが ひとときも 離したくない。
丸め込んで 一緒に暮らそう。
愛している。千春。
……………終わり……………………………
パーツ 終ります。
お付き合いくださりお読みいただきましてまことにありがとうございました。
この後【千春】又は【チハル】の中の後日談 番外編等をアップするか迷っております。
少々お時間をいただき 又 お目にかかるまで小休止と させていただきます。
時節柄 皆様 どうかご自愛ください。
この夏 2回も夏バテに負けた
みっくじぇいでした。
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