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疵(きず) 1
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※これは別の世界での千春の話。
…………………
千春のうなじに唇を押し当てて背後の男が囁く。
綺麗だね。
聞き飽きた言葉だ。
「ねぇ こんなに感じやすい身体なのに まだ ダメなの?」
「だって そんなすぐに……
俺って そんなに 簡単な奴に見える?
心外だなぁ。あなたのこと 好きになりかけていたのに。
今日はもう帰ろうっと」
「えぇ!ここまで させた癖に。」
させた?
冗談だろ?
お前みたいな ブタ野郎は 気持ち悪いんだよ!
ベッドにだらしなく 寝転ぶ そいつを見下ろすと 腹の肉がブヨブヨして 気持ち悪い程毛深い。胸も女みたいに 膨らんで 汚い乳首はポツポツして真っ黒い。だいたい 股擦れで 太ももの内側が 赤黒く変色している。
何でこんな男に誘われて キスまでさせたんだろう?帰ったら即 歯みがきしよう。
キツいレモンのキツい炭酸を飲んで くちびるを消毒したい。
手でイカせてやっただろう?
その汚い ペニスを 扱いてやっただろう?
この豚野郎と知り合ったのは
或ゲイのツーショットダイアル。
何度かやり取りをして そこそこの年齢とそこそこの仕事をしていたから。
俺は山科千春。
女には興味がない。
散々あちこちのゲイサイトで 男漁りをしている。
相手は 真面目な職業の人間ばかりに絞っている。
ときにワルぶったり ときにまっさらなオドオドした少年になったり ときにエンコウまがいに うんと年上のオジサマとも交流したりする。
会ってすぐホテルに行くことも有る。
そして
俺のペースで リードする。
相手の好みの男を演じる。
相手を翻弄して 相手をイカせて 適当に言いくるめて、そして2度と同じ男とは再び会うことは無い。
男によっては 俺が上半身 脱いだだけで素晴らしいって 正座して呆けたように見上げられた。
手練手管は 誰にも負けない。
つもり。
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