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疵(きず) 16
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俺の身体には 瑕疵がある。
小学校の低学年だった。
寒い夜だった。
風邪の引き始めだったのか
寒気が止まらなかった。
両親は居なかった。
代わりに7才年上の姉が居た。
姉は電気あんかを家のどこからか探しだして 俺の布団の中に入れた。
寒い夜だった。
毛布を足のところで折り返してくるんで 足に電気あんかが、ずれないように 固定してくれた。
寒い夜だった。
更に寒気を訴える俺の為にホットカーペットに移動して俺の布団をその上に敷いてくれた。
ホットカーペットは最強にしてくれた。
そして電気あんかも最強にしてくれた。
そして毛布を更に工夫して 下からも両側からも 足がずれて出ないように 足の裏が電気あんかに 当たり続けるように きっちりくるんだ。
そして 翌朝。
早朝に帰宅した両親は
俺の足の裏が 深刻な 定温火傷に なってしまったことを 目の当たりにした。
風邪の発熱に加えて 足が冷水にさらされ 震えが止まらなくて。
火傷によるものか風邪によるものか 高熱で痙攣を起こした俺は 救急搬送され
足の裏の半分近い面積の表皮を失った。
指紋などの皮膚は一切無く 足の裏にはケロイドがある。
手の平や足の裏の皮膚が無いと 保護する役目の表皮が無いため柔らかいケロイドだけで 全体重の衝撃 触感を 薄い皮膚で受け止めなければならない。
裸足で靴を履いて小さな砂粒 ひとつ 入っただけでも 悶絶する痛みになる。
冷たさも かなりの痛みを伴う。
熱さも かなり敏感に感じる。
靴を履いていても尖った小石や玉砂利を踏むとかなりの痛みを感じる。
足を踏まれたら柔らかな皮膚が自分と他人の重みを表皮の無い柔らかな皮膚に ダイレクトに 衝撃が来る。
踏ん張ったり 擦り足が出来ない。
青竹踏みなんか 踏んだら 柔らかい皮膚が 裂けてしまいそうになる。
海の砂浜は ざらざらして 素足では痛くて歩けない。
アスファルト コンクリートなど やはり ざらざらして 痛いだろうし 歩いただけで 柔らかな皮膚が悲鳴をあげて血だらけになるだろう。
小学生の頃までは 冬 あかぎれになり 足の裏があちこち 裂けて 血だらけになっていた。
いつも 靴下は欠かせない。
幸い 表皮が無いため 汗腺も閉じたのか 足には汗をかかないから 蒸れることもない。
だから 水泳も プールサイドには行けないし 裸足になりたくない。
剣道も柔道も裸足になるからやりたくてもやらない。
ただ 祖父が空手の道場をしていたので 誰も居ないときに 靴下を履いて靴を履いて 空手を教えてもらっていた。
小学校時代は 修学旅行、林間学校には参加しなかった。
中学校になってからは 風呂に入らなければ良いだけの話だし 靴下を脱がなければ良いだけの話だし そういう行事には参加するようになった。
そういう瑕疵に 運命の神が 同情したのか 幸いなのか 不幸なのか 男では有るが 肌は欧米の血が入っているかと思われる程白く キメが細かい。そして 男にしては 長い睫毛 細い顎 柔らかな髪。小さい頃は美少女と言われてきた。
しかし 誰も この裸身を知らない。
見せたい。
でも 見せるには脱ぐしかない。
脱ぐには裸足にならなければならない。
脱ぎたくない。
でも 見てもらいたい。
醜い 足だからこそ 他のことで 称賛を浴びたい。
でも 足は
足を見せるくらいなら性器を晒す方がまだ耐えられる。
足を見せるくらいなら アナルを晒す方が まだ耐えられる。
足を見せるくらいなら 万民の前で 自慰行為を晒す方がまだ耐えられる。
それほど 足を 素足を
見せたくない。
隠していたい。
隠していたい。
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