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疵(きず) 23
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浴槽に貯まっていくお湯をぼーっと眺める。
気を取り直して ベッドルームに戻るとアノ人が居ない。
と、隣のリビングのソファに座ってテレビを視ていた。
こういうとき いつもなら 平気で隣に腰かけて 相手に先にシャワーを使うような状況に 持っていくのに。
今日は 部屋に入ることさえ 恥ずかしくぎこちない。
さっきキスまでしたのに。服だって脱がされて今の間抜けな 下着姿で居るのに。
舌を絡めるキスで 興奮してしまった 下着の中がぬるつくのが 気持ち悪い。
「あのー 今浴槽にお湯溜めてますが 先にシャワーをどうぞ使って下さい。棚にタオルもバスローブもありますから。」
「ふふふ。抱くよ と言ったら 待って と 言ったくせに シャワーは浴びて下さい って。矛盾な対応だね。
下着にいやらしい染みを作って。ぬるぬるしてて気持ち悪いんじゃないのか?それなのに 僕には シャワーを って。
下着の染みなんか後まわしにする?いや それより切羽詰まった状況が有るのかな?僕を シャワーに行かせて。
さっき キスして蕩けるような顔をしていたのに 今は 覚めた顔をしているね。
でも 遠慮なく使わせて貰うよ。
くさい って君に嫌われたく無いからね。」
「いえ あなたはくさくないです!
でも あのー 」
「なぁに?
このまま抱いても良いよ。
でも 君の裸を見て暴走して 又拒否られると へこみそうだからね」
そう言うと俺の差し出したハンガーにスーツの上着を掛けて俺にたっぷり色気溢れる視線を寄越し ゆっくり見せつけるようにしゅるりとネクタイを外す。ベルトに手を掛けたとこで 俺は居たたまれなくて 部屋をあとにした。
俺は キッチンに行き アノ人がバスルームに入った音を確かめてグラスを用意して 小さな灯りだけにした。ベッドルームもリビングも本当に小さな灯りだけにした。
廊下は壁に向けての間接照明。足許には いつも余計な物は置いて居ない。
と 思いながら振り返ると
そこにはアノ人が居て
後ろから抱き締められ 噛みつくようにキスをされた。
向きを変えられ抱き締められた俺は 無意識に彼の背中に手まわしてつかまるみたいにしていた。彼はもう全裸で撫でた俺の手に滑らかな広い背中があって。その程よい固い背筋に 何故か又股間が固くなる。
彼の身体は濡れていない。
シャワーをしに行く振りをしたのか?
キスをしながら力が入らなくなった俺はアンダーシャツを脱がされた。
そして彼が足元に屈んだかと思ったらボクサーパンツをズルリと脱がされた。
俺に残されたのは靴下だけ。
その靴下さえ脱がそうとされて
まずい。
今靴下を脱がされたくない。
晒したくない。
見せたくない。
慌てて 身体を 捩って
その腕から逃げる。
「待って!」
全裸で靴下だけの姿は 滑稽だが
下腹部を隠すことさえ 頭に無い。
「待って 待って」
俺は 又しても 同じ言葉しか出てこない。
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