アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
疵(きず) 36
-
もう 自分の気持ちに見て見ぬ振りは出来ない。
俺は アノ人が好きになっている。
俺の男漁りと同様に 初めて会ってその日のうちにキス。そしてそれ以上。でもそうなってしまった。
どこかで 今までの男と同等にって思い込んで それ以外の感情を 押し込めてきた。気付かない振りをしていた。
でも 初めて自分のペースが崩され 強引な態度も好ましかったんだ。
だからって強引な男が好きだったんじゃない。
蕩けるようなキス。
好きでもない男と もう キスなんてできなくなっている。
好きでもない男に 触れられるだけで 気持ち悪い。
好きでもない男に 誉められたって 嬉しくもなんともない。
アノ人に対して
自分で自分を律していた。
自分の心情にブレーキをかけていた。
自分の奥底に芽生えた気持ちに蓋をしていた。
でもアノ人は俺の中に 少しずつ 少しずつ 侵食するように 俺の心を満たしてくれていて。
俺の全てを 受け入れ 包んでくれている。
鏡越しにみせられた俺の姿は アノ人を喜んで受け入れている真実を見せつけてくれていたのかもしれない。
俺は知りたい。
アノ人のこと。
そして 言いたい。
好きだ って。
それでアノ人が 離れていくなら仕方無い。それでも 言いたい。
自分に素直になりたい。
肩肘張らずに 自分の気持ちを 言いたい。
あなたが好き。
好きだから身体も求めてしまう。
今まで 男漁りをしてきたけど もう 他は目に入らない。
過去を忘れて あなたに 新しく浄めて欲しい。俺を 生まれ変わらせて。
あなたが
好きだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
121 / 264