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同級生 3
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中学生のあの頃。
クラスの女の子が病気になった。
何か難しい病気で複合型だか 他の病気からの合併だか 俺には詳しいことは解らなかったが とにかく深刻な病状だった。
その頃、俺と真弓ともう一人の女が クラスの委員をやっていて。
その女が 放課後の委員会の話し合いと称して俺達に
「ねぇ 今休んでいる〇〇さんが とても大変な病気なの。血が必要なのよ。
私達のクラスの仲間なのよ。何か協力しましょうよ。私達委員から先生、学校中に働きかけて 献血をして貰うように 働きかけましょうよ。」
と 提案した。
俺と真弓は 反対する理由も無かったが どちらかというと消極的だった。
と言うより いつもその女に 俺と真弓は引っ張られていた。
正確に言うと
女が先頭に立ち なおかつ親方で その補佐が真弓。
俺は2人のアトっていうより 真弓の付属物、真弓のオマケ 真弓にくっつく小判鮫みたいなモンだった。
そもそも クラス委員なんてなるつもりは無かったんだよな。俺は。
クラスの投票で学年の始めに真弓がまず決まった。
そしたら真弓が俺を指名したのだ。
そして学期が変わってもクラス委員はメンバーが替わらなかった。
真弓とは1年の頃からずっと同じクラスで。
出席番号も俺の次には真弓が居た。
それだけじゃねぇ。
真弓はいつでも俺のそばに居てくれた。
俺はいつもそばで 真弓にカバーしてもらっていた。
俺がぼーっとして 何も出来ない分 忘れちまう分 知らない分 真弓が 教えてくれたり助けてくれて。
最初は消ゴムの貸し借りから始まって 昼もいつの間にか一緒に食うようになっていた。
雑誌を一緒に読んで 帰りも一緒になって宿題を教えてもらったり、休み時間も学校の有る日も無い日もいつも一緒に居た。
部活は真弓に誘われて同じ水泳部。
真弓は成績が良かった。
俺は まぁまぁ。真ん中あたり。
中学に入りたての頃は 俺は背も低かったし 近所のヤンキーな先輩姉ちゃんが 毎日教室に来て 千春 千春って構いに来ていた。
姉ちゃんっつったって きょうだいじゃ無い。
何でか 小学校の頃から 年上のヤンキー姉ちゃんから 可愛がってもらっていたんだ。
千春、かわいいねぇ 飴あげるよ。
千春、かわいいねぇ 缶ジュースあげるよ。
千春、かわいいねぇ そのまま鉄棒やってみせて。
そんな俺も中学生になってから背は少しずつ伸びたし 先輩姉ちゃん達も卒業して 真弓が俺の保護者って風でもないけど。
まぁ 今から考えると真弓が俺の盾みたいに 前面に立ってくれていたように思う。
真弓も俺といつも一緒に居たから俺のちょっとヤンキーっぽい連中とも真弓は仲良かった。真弓は誰とでも対等に付き合っていたみたいだし いつも 真弓が俺の窓口みたいなトコもあったと思う。
俺の中学の頃の水泳部は 夏は活動的だが冬は基礎練習中心。だから 冬場は 部活はサボって学校の近くの真弓の家によく行っていた。
一緒にレンタルしたDVD を見たり ゲームをしたり 年がら年中俺は必ずと言っていいくらい学校以外真弓の家に居た。
もちろん他の友達が一緒に来る時も有ったが
誰も真弓の家に寄らないときがあっても俺は真弓と一緒に過ごすことが心地よくて。
時には2人で簡単な飯を作ったり 時には泊まって一晩中話したり、とにかく飽きることが、無かった。
真弓は多くを話すタイプでは無かったが いつも少し考える様にしては 俺に語りかける。
俺は 普段興味を持ったこと 読んだ本のこと を 飾らずに話す。真弓はいつもニコニコしながら聞いてくれた。
時々 賛同してくれたり 笑ってくれたり 一緒に怒ってくれたり それがとても心休まる 嬉しさだった。
そして たまに 千春は可愛いな っていうときがあって。俺は何も知らないガキっぽいのかなって真弓の前では素直に反省も出来た。
それでも俺は成長はしていたと思う。髪の毛は寝癖だらけで学校に登校することはなくなっていたし。
ハンカチティッシュを持たなかった俺がいつも真弓が2人分用意してくれていたけど 真弓に言われて自分で用意出来るまでになったし。
櫛を真弓にプレゼントされて髪の毛をとかすようになったし。
そんな俺と真弓だったから クラス委員に真弓が俺を指名したのは 必然って言うか 当然のような気がしたんだ。真弓はガキそのまんまの俺に色んなことを経験させてくれたんだろうなって。
2人クラス委員か決まると あと一人は又投票によって決まった。そして女が選ばれた。
しかし その女は 病気のクラスメートを救うべく 俺達も巻き込み3人連名で 担任と校長を説得し 生徒会委員会から全校集会で熱弁を振るいPTA 総会でも 演説。
更にはどこからツテを辿ったのか 地元TV 局 ラジオ局 公共放送にまで投稿しまくって民放放送をも 動かしたのだった。
俺達3人よりも 担任や校長やPTA が マスコミの取材を受け 現代の 美談として学校は有名になったのだった。
そして病気で入院していた 当の女の 病気は全快し 学校に 通えるまで 元気になっていったのだった。
それだけなら
とても 感動的な話だ。
だが 俺と真弓 そして その女は
暴走したのだ。
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