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同期生 5
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千春は そんな昔のことを思い出しながら 自分の席のあるテーブルに向かった。
だが自分の席には他の組だった奴が席を占拠していたので 千春は仕方なく 他のテーブルを見回した。
だが 主だった友達は皆 喫煙スペースに居た。
そのスペースの中には 先程現れた真弓が皆に囲まれ談笑している。
会場の隅の壁に寄りかかってスマホを取り出し 所在無く仕事の確認をしたりした。
しばらくすると主催者がマイクで
「皆さんこれから始めます。席に座って下さい。」
開会の挨拶をして乾杯まで終わると 各テーブルにウェイターが大きな皿の料理を次々に運んできた。北京ダックをウェイターがくるくると巻いてはそれぞれの小皿に乗せたりした。他に 炒め物 揚げ物 なども運ばれてきた。
おとなしく 小皿に取り分けられた料理をなんとか 流し込み 少し気の抜けたビールをぐびりと飲んでは 隣の女と当たり障りのない話に相槌を打ち 合間に スマホを見ては 退屈しのぎをしていた。
酒も入ってその内 参加者もあちこちでグラス片手に テーブルからテーブルへ移動して話し込んだり 笑ったりして座も乱れ始め 大声も聞こえ始めた。
煙草を吸いたかったが、相変わらず 喫煙スペースには仲間に囲まれて真弓が居た。
帰ろうか どうしようか。
いや席に着いた時だって 真弓は同じテーブルに着席していて。
俺はあらぬ方を向いて 真弓と目を合わすことさえ出来なかった。
やがて料理が何回か運ばれ始めたあたりで 真弓が席を立ったのが視界の端にみえた。
千春は
トイレに行こうと ウェイターにトイレの場所を聞き 店の外にある トイレに向かった。
オフイスビルのトイレは ひとけの無い通路を通った建物の端にあった。
普段はオフイスばかりが入る雑居ビルの地下だけが 中華料理店と居酒屋 そして今は閉まっているブティックだけだった。
エレベーターホールにも 人は居ない。
トイレの近くには 外から飲食店を利用する為のガラスドアの向こうに外から出入り出来る階段も見えた。
この時期 年末は まだだし土曜日だからか オフイスを利用する人も居ないのか このビルの守衛室も灯りが消えていた。 このビル自体 中華料理店と居酒屋のみにしか 人は居ないようだった。
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