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同級生 15
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いらっしゃいませ。
と最後まで 言えなかった。
その日のたった一組の客は
真弓だった。
先日 学年同窓会で再会し 一緒に飲んだ
俺が 酔いに任せて 友達に戻ることさえも断られた 真弓。
言葉が出なくて固まった俺に真弓は
「悪い。偽名で申し込んだ。
あの日 豆腐屋で 千春が置いていった札に 名刺が 一緒に有って。
何かお前 いきなり怒っちゃったみたいで。
でも凄いな。こんな立派なサロンを経営してるなんて。
今日は客として。よろしくお願いしたい。
千春。頼む。」
俺のサロンは接客業だ。
俺が札の間に入れてしまったのは たぶん営業用の業者に渡す名刺だろう。
サロンで渡す名刺には 役職名の無い名前しか印刷されていない筈だから。
俺は 心を閉じて 殊更 恭々しく頭を下げて 個室に案内した。
予約メニューにもう一度目を通すと 仕事モードに移った。
脱衣所の説明をして風呂に案内した。風呂から出たら使うべきタオルの場所を教えて
バスローブと薄手の浴衣と 紙製のパンツを脱衣籠に用意してあることを説明する。
今日の風呂は中型のを用意してあって シャワーやカランなどとシャンプーなどの説明を一通りした。
説明しながら 真弓とからだが近付く。
そのたびに 心臓か跳ね上がりそうだった。
平常心 平常心。
今から こんなんで
剃毛なんか
出来るだろうか?
俺は
やっぱり
こいつが
好きだ。
再会して
渋味が加わって
あー
どうしよう。
冷静に 冷静に
平常心。
平常心。
簡単な問診をするために ソファをすすめて コーヒーを淹れる。
テーブルを挟んで座ってカルテに名前を書き込みながら アレルギーの確認と普段使用している化粧品 薬品の有無 次々と質問していく。
一通り終わり 何か 質問ありますか?
と極めて事務的に尋ねる。
すると 真弓が 静かに話し始めた。
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