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千春オジサマ 捌
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真弓side
用なんて無いが
とにかく 千春サンに無性に会いたくて会いたくて。
最初は 何でかな。
と思っていた。
綺麗な顔の 自称オジサン。
くしゃみと笑いのタイミングがピッタリで。
いきなり 脅され恫喝され
かと思うと 親切に泊めてくれて。
かと思うと 料理が上手くて
掃除もキチンとしていて
ぶっきらぼうなんだけど
優しさに溢れる男で。
何時に押し掛けても 帰れとは言わない。
でも 泊まらせてはくれなくて
いや 泊まらせてと言えば 違うのだろうか?
夜遅くなると 無言の圧力のように 帰れって雰囲気で
でも 行けば 断られないから 行かずにいられない。
名前は聞いた。年齢も聞いた。
仕事は 分からない。
サラリーマンだと思っていたが 時々 仕事の電話らしきものが着信されて 受け答えしているようだ。
何故なんだろう。
ひとことで言うなら あとひく オジサン
僕がご飯を食べている間
美味しいって言うと
嬉しそうに笑う。
僕より年上なのに
その笑い顔が 凄い破壊力で
胸が痛くなる。
何気なく 盗み見ると
どうということはないんだけど
いや どうということは有る。
顔は綺麗。とにかく綺麗。
形のよい眉毛。薄くもなく濃くもない。
目は 切れ長で だけど小さくない。
白目がとても綺麗。黒目がち。
鼻筋は通っていて 低くなくて。
くちびるは皺もなく 健康的。
肌はとにかく綺麗でシミもなくてほくろもない。髭は薄いかもしれない。
笑うと口角が上がり健康的な歯が眩しい。
そしてこの千春サンの目だ!
まつげが奇跡的に長い。上下とも長い。
他人に嫌な感情を抱かせない顔としか 表現しようが無い。
好ましい印象しか与えない顔。その表情。
乱暴な口調もギャップがある。
薄い茶色がかった髪の毛。
それなのに それなのに
男なんだよな。
或夜。
いつものように 帰れって雰囲気で
これから飲みにいくから
と言われ 早々に退散した。
だが 忘れ物に気がついた。
親戚の年賀欠礼に対するお悔やみの手紙。
駅まであと少しって
来たところで
後日でも良いかと思ったが 千春サンのマンションに引き返した。
まだ家に居るかもしれない。
本当は僕を追い出す為だけで誰かを呼ぶのかもしれない。
そんな思いが常にあって。
と そのとき。
向こうの通りを 足早に歩いていく姿。
千春サンだ。
慌てて追い付こうとしたが ちょっと好奇心が沸いた。
自転車をコンビニに置いて 何気なく あとを追った。
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