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千春オジサマ 拾壱
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真弓side
「えっ?いや その」
「ずいぶん ソワソワしてあの店を見ていただろう?
あのバーは 酒を飲む処さ。
落ち着いた雰囲気のバーだよ。
一人で入って気まずいこともないよ。
俺も一人でよく飲みに行くから。でも今夜はツイてるなぁ。君みたいな 綺麗なイケメンのウブな子と出会えるなんて。一緒に飲むだけでも構わないよ。マスターも気安い人だよ。綺麗な顔の。でもね、彼氏が毎晩来るから、惚れちゃだめなんだ。同じ嗜好の者同士で 心の声を出し合う。ゆったり気分でピアノを聞きながら酒を飲む。日頃の鎧を脱いで 肩の凝らない話をしようよ。おいで。」
肩を抱かれて 鳥肌が……
慌てて 手を振り払って 逃げ出した。
同じ嗜好の者?
男と男が抱き合うように入って行った。
君みたいな って僕のこと?
あの店は そういう嗜好の人達が出入りして 肩の凝らない話をするところ?
千春サンが入って行った。
あのバーは ゲイの出入りする店ってこと?
千春サンは
そういう人?
恋人があの店に居る?
恋人を探してあの店に行く?
千春サン。
千春サン。
あなたは
そういう人?
歩きながら 僕の心は千々に乱れる。
千春サン。
あんなに男らしい人なのに。
言葉はぶっきらぼうだけど あんなに優しい人が ゲイ?
だとしても
何故か嫌悪感は湧かない。
さっきのサラリーマンには 鳥肌が立った。
僕は千春サンが
千春サンを
どうなんだ?
いつの間にか 千春サンに会うことが 楽しくて堪らない。
それは確かだ。
僕は女が好きだ と思っている。
でも 実際 女と付き合って 心から楽しかったか?と言われたら わからない。こんなもの と思って女と付き合ってきた。
でも 今 千春サンが 男と付き合っているかもしれないと 想像しただけで 胸が張り裂けそうなのはどうしてだろう。
男として 同じ性別の奴に敵愾心を燃やしている。千春サンを同じ男として別の男に盗られたくない。
何故だろう?
千春サン。
この胸の 痛み。
何なんですか?
千春サン。
僕だけに 笑って くれませんか?
千春サン。
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