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千春オジサマ 拾参
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千春side
俺は或意味 孤独に生きてきた。
だからと言って今更拗ねたりしねぇけど。
誰とも関わりたくねぇって思ってるだけ。
俺の家族 って言えるかどうか分からねぇが 一応 両親ってのは居る。俺だって樹の股から生まれた訳じゃないかんな。
おれの家族は
父親と母親。 そして 兄貴が居る。
兄貴は俺より15才も年上。しかも俺が物心ついたときから ひきこもり で ニートだ。
だが 兄貴が どうしようもない ろくでなしになったのは俺のせい らしい。
俺さえ生まれてこなけりゃ 兄貴は 素晴らしい人間になっていた らしい。
父親は 元エリートサラリーマンだったが早期退職制度で少し多目の退職金を得て 毎日家に居て 粗大ゴミ扱いされていた。
母親は俺の父親とろくに口もきかず おまけに猫可愛がりした俺の兄である 長男には腫れ物に触るように して ご機嫌を取っている。
ご機嫌を取るというより 僕(しもべ)、又は下僕、召し使いみてぇだ。
母 曰(いわ)く
千春が居たから 可哀想な兄貴。
千春が居なかったら ちゃんとマトモなエリートになっていた筈。
千春が居なければ 良かったのに。
千春が居なければ。
ごめんね お兄ちゃん。
俺は 父親からも 存在しないかのように 扱われ 母親からも 疎んじられ 兄からは 消えてくれと 言われて育ってきた。
とにかく 家族の見解として
俺が生まれて 赤ん坊の俺に手が掛かったから 長男の兄がいじけて ひきこもりニートになった と 信じているようだ。
俺が中学生になった頃から 母親には 面と向かって
『あんたが居なければよかったのに』
と毎日 毎日 言われ続けた。
父親は家族と話さない。
母親は俺に責任を擦り付けることで 心の均衡を保っているようだった。
兄は卑怯な母親と同調して 俺を目の敵にして 死ねと 言われる日々だった。
こんな家を 出たい と 思うのは 当然だと 俺は 思っていたが。違うのか?
確かに 暴力などは受けていない。
今から考えると これって 虐待じゃねぇか って思うときもある。
だが 不思議なことに 友達には恵まれた。
中学んときも 高校のときも スゲー仲良くしてくれた友達ばっかりだった。
俺は 高校のときは お調子者として みんなから 笑われて 人気者っぽかったと思う。
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