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千春オジサマ 拾陸
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千春side
もう昔って 言うにはまだだけど
俺が就職してガンガン働いていた頃
母親から連絡が来た。
高校卒業してから 実家とは一切連絡もしていなかったし 俺も帰らなかった。
兄貴が入院したとのこと。
精神疾患らしい。
親父の方は少し前に 玄関の段差で転んで骨折。それから歩けなくなり施設に入所しているらしい。
母親一人で心細いから 帰って来てくれとの事。
勿論断った。
散々生まれてきてはいけない人間として 蔑まれ 唯一可愛がってくれた祖母も亡くなり 俺には血縁関係と呼べる人間は居ないも同然だと思っていた。実際親戚も居なかった。
そう
俺は 母親に言った。
「知らねぇよ。」
すると母親が
「お前はね 本当は私の子じゃ無いのよ。それでも育ててやったのに。私に恩返ししてくれても良いじゃない・
あんたの面倒みて ご飯作ってやって 洗濯だってしてやったじゃないの!
あんたの根性曲がっているわ!
あの女そっくりだわ。お父さんがよそで生ませた子なのよ。あんたは。
ろくでもない あの 泥棒猫の女。」
じゃあ
俺は?
誰の子なんだ?
俺の本当の母親は誰なんだ?
何やら喚いている 母親の電話を
一方的に 切った。
いや 母親じゃねーのか。
他人の俺の世話をしてくれた
ありがてぇ
人 かよ。
俺は 誰の子なんだ?
俺は何者?
本当に 存在してはいけない人間なのか?
冷たくされて当然の人間だったのか。
俺は
俺は
生まれちゃいけなかったのか。
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