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千春オジサマ 弐拾伍
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或バーの会話
「じゃあ また!
ごっそうさん。」
「ありがとうございました」
バタンとドアが閉まって、入り口の看板を仕舞い 店の明かりも消したら 先程までピアノを弾いていた男が 静かに訊ねた。
「千春さんと何を話していたんだい?」
「いや 特に何も」
「そうかな?私には 千春さんの相談にのっていたように思えたけど。」
「世間話かな?」
「私も君と付き合って何年になるかな。
君は私を一生の伴侶として誓ってくれた。こんな老いぼれにね。」
「あなたは老いぼれジャ 無いっ!
俺はあなたを愛している。」
「なら 何で 千春さんの恋愛を邪魔するのかね?
昔の恋愛の失敗を 千春さんがまだ引きずっていると心配しているのか?
彼は恋愛の経験は確かに少ない男かもしれない。確かにノーマルなら色々な苦労はしないかもしれない。
だが 千春さんがノーマルなら幸せなのか?ノーマルから逸れたら 不幸せになるのかい?
私は今君というパートナーを得て幸せだよ。
そして堅苦しい警察をすっぱり辞めて 好きなピアノを好きなだけ弾けて とても幸せだ。
大金持ちではないけど そこそこ暮らしていける金もある。今のところ健康だからあと10年や20年は 君を満足させてやれるだろう。心身共にね。私が亡くなれば君に少し金を残してあげられるし。」
「いや 違う。俺はあなたを怖いくらい愛しています。からだなんて二の次なんです。あなたが 俺には なくてはならない存在なのに。」
「よし。良い子だね。今夜も可愛がってあげるよ。毎日幸せだろう。私達は。」
このバーのマスターである彼は 何かを言おうとしたが 巧みな愛撫で もうどうでもよくなってしまった。
今夜も この人に 失神も許されないくらい 何度も何度も何度も 気持ち良くさせられて。
2人の愛を 確かめ合うんだろう。
優しい口づけに 早くも 蕩けてしまうこの店のマスター、こと千春の親友なのだった。
ピアノを弾くように 彼の指は雄弁に 恋人のからだを 小刻みに軽く素早く動いてポイントを外さない。
見た目白髪が頭を半分近く覆っているが 元の職業からなのか 背筋もぴんとして無駄な贅肉は無い。巧みにマスターである年下の恋人の服を 次々と剥ぎ取っていくが 彼自身は息も乱れず冷静に 乱れる姿を見詰めていた。
「もうっ イカせて イキたい。」
巧みな性技で先端からだらだらと 透明なしずくをこぼしているが 根元を握り込まれ 痛い程猛る熱を放出出来ない。
「イキたいだけかい?」
「あなたの あなたのが 欲しい」
「いくらでもあげるよ。でもね
もう 千春さんの邪魔をするなよ。
お前が 密かに千春さんに惚れているのは知ってる。
ふふん。知らないとでも思ったかい?
千春さんに近付く男を 皆撃退していたのも知ってる。
まぁ 多少のことは見て見ない振りをしていたよ。
でもね 今回は男であれ女であれ 千春さんが惚れ始めたんじゃないか。
意地悪しなさんな。
私もね 人生長く生きて 器は小さくないつもりだったけど。
そしてあまりお前を束縛したくないけど。
あそこまでいくと あの真弓って子が 可哀想だろう。
千春さんがあの真弓って子を受け入れるかどうか分からないけどね。
突撃して玉砕するかどうか 分からないけどね。
でも これだけは言える。
お前もネコだけど たぶん千春さんも ネコだろう。
諦めなさい。千春さんのことは。」
そう言うと ピアノ弾きの男は ズボンの前を寛げ マスターの男の後孔に 欲しがるモノをあてがった。
四つん這いにさせられたマスターの男は
そのまま 揺らされ 何度も快感の波に身を任せていった。
器の大きな男は そんな不埒な浮気心を抱えた年下の恋人の背中を いとおしそうに 撫でていた。
夜も更けて明かりも消えた店内に 肌を打つ音と 妖艶なくぐもった声が いつまでもいつまでも 空気を震わせるように続いていた。
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