アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
兄
-
晴れわたる空に心地よい風、そして何より兄がいるから俺の人生は今日もバラ色だった。
「今日のお弁当はオムライスなんだ~」
にこにこと微笑みながら手提げ袋を振り回しながら歩く兄。
中には俺のオムライスが入っていて、確実にぐちゃぐちゃになっていると思う
それを指摘してしまうときっと兄は目に見えるように落ち込んで俺に謝るので、兄が悲しまないで済むなら俺は迷わずオムライスにぐちゃぐちゃになってもらう
兄がぐちゃぐちゃにしたオムライスはきっとどんなオムライスよりも美味しい
「じゃあまーくん、兄ちゃんこっちだから。はい!お弁当!残さず食べてね!」
そう言って手を振りながら歩く兄が見えなくなるまで俺も手を振る。
「優(ユウ)君ありがとう!オムライス大事に食べるよ!」
全力で叫んでいると、肩にズシッとくる重み
「お前さぁ~、まじで優さん好きだよな。
家でも毎日会ってんじゃん?何でそんな毎回永遠の別れぐらいに手ぇ振れんの?」
そう言って俺に全体重を掛けてくる友人の脇腹に肘を振り上げる
「ウッッ」
「テメェ優君のこと気安く呼ぶなよ。アァン?
可愛いゆうくんが大学に行くんだよ永遠の別れ並みに辛いわボケ」
蹲る友人を一喝し早歩きで学校に向かう
「優さん今年で3年だろうが!そろそろ慣れろよ!
てかまじで肘はやめろって!!」
優君以外の声はセミの鳴き声と同等だっ
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
2 / 42