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兄
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「お前、顔死んでんぞ」
「うん…」
「聞いてんのか…」
「うん…」
「……優さんめっちゃ可愛い」
「お前ごときが優君を語るな死ね……」
「優さんの話題に触れた後の暴言は条件反射なのか…」
自分の弁当を食べ終わり、隙あらば優君お手製の弁当に箸を伸ばしてくる達也(タツヤ)の攻撃から弁当を守りながら考えているのは優君のことだった。
「朝からすんげぇテンション低いじゃん。今日は優さんと一緒に登校してなかったんだって?学校中その話で持ちきりだぞ。喧嘩でもした?」
朝一緒に登校出来なかったことを思い出し、思わずジワッと目に涙が溜まる。
「優君、今日友達と一緒に行く約束してるからって、一緒に行ってくんなくて、それで、凹んでたのに、さっきメール見たら「今日は友達と帰るから迎えはいいよ」って書かれてて、もう、俺、」
嗚咽を耐えながら話していると、口にグイッと唐揚げが押し込まれた。
「そりゃ、優さんにも友達の10人や50人いるって。そりゃ毎日一緒に来てれば寂しいかもしんないけどさ、そのうち慣れるって」
そうだ、これからだってアイツと一緒に行くって言う可能性があるんだ。
一日目でこれなのに、明日も、明後日もと言われてしまったら……
「……ウッ」
「うわ、泣くなよ面倒くさっ!ほらブロッコリー食えって優さんが茹でたんだぞ!」
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