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兄
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「それは困るな」
なんて、そんなこと思ってないくせに一人楽しそうに笑う。あいつがベッドに寝転び、一人分ベッドが軋んだ
「ほら、来いよ」
ポンポンと側を叩く
「なんでそんなに図々しいんだよ…」
そうボヤきながら渋々、ヤツの隣に寝転ぶ。
「いや、もっと寄れよ落ちるぞ」
「…やだっ」
と意地を張り背中を向けると、突然感じた浮遊感
「うわぁ!!」
「言わんこっちゃねぇ」
落っこちてしまった俺をベットの上から見下ろしてくるアイツ
打ち付けた腰をさすりながら立ち上がると、不意に腕を強く引っ張られた
「グエッ」
「なんだその声」
クツクツと笑っているあいつの顔が思いの外近くにあり驚いた
いつの間にか壁側に追いやられていて距離をとろうにもとれない
「おら、寝んぞ
そーやって夜ふかししてっからちっせぇんだよ」
「……っお前がでかいだけだ!」
そう声を荒らげると、やっぱガキだな、と呟きながら
リズムよく背中が叩かれる
眠れない夜に、いつも兄がしてくれていたことを思い出し、不覚にもとても安心した。
「……ガキ、扱いすんな……」
「そうだな」
「……じゃあ、やめろ…よ……」
「お前がすぐ寝れたら大人扱いしてやってもいいぜ」
「……う、ん……わかったぁ…」
襲い来る眠気に、自分が何を言っているのかも分からなかった。
ただ、暖かい手のひらに身を任せる。
「おやすみ。」
辛うじてその言葉を聞き取って、心地よい眠りについた。
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