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兄
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エレベーターに乗り込んだ時には、あたりに散りばめられた高級感の漂う装飾品達に怖気づてしまっていた。
「さっきまでのでかい態度はどうしたよ」
にやにやと効果音がつきそうなほど、馬鹿にしたような笑顔でこちらを見る。
一生縁のなさそうな空間に、本当に優くんの秘密があるのだろうか。
「うるさい!大体なんなんだよここ…」
「俺の家」
「はぁ!?」
一大学生には、明らかに不釣り合いなこのマンション
だが、確かに横の男には違和感なく似合ってしまっていた。
長い廊下を歩きながら、呆れたように
「お前、誰にでもそうやってホイホイ着いて行くなよ」
「なっ、人を単純みたいに!大体お前が知りたかったら着いてこいとか言うから、」
「そういうとこだよ。優の名前出せば絶対着いてくんだろ。お前は優を守ってきたんだーって言うけど、俺からしたらお前の方が心配だ。もっと危機感もてよ」
余計なお世話だ!と言ってやりたかったが、あまりにその通りなので何一つ言い返せなかった。
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