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兄
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「床が…」
「そんなことはどうでもいんだよ!!」
ゆっくりと手を開かれる。
傷ついた掌を見て、何故か俺よりも痛そうに顔を歪めた。
一層のこと、酷い言葉で罵ってくれればいいのに。
大切なものの守り方ひとつわからない俺を
「取り敢えず消毒を、」
「いや、いい」
言葉を遮って、玄関へ向かう。
「優くんごめん。大学にも急に押しかけて、ごめん。
俺、最近自分のことしか考えれてなかった。それを謝りたくて。今までだって、俺の意見ばっか押し付けてた。
これからは俺のことなんて気にせずに、優くんのしたいことをして欲しい。」
振り返ることは出来なかった。
「待って!!まーくん!!」
呼び止める声を振り切るように、勢いよく扉を開け、見慣れない街をただひたすら走った。
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