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三人目
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男と客が帰った店の中で、イルがロゼッタに聞いた
「…マスター、よかったの?」
「何が?」
イルの淹れた紅茶を飲みながら答えるロゼッタ
「マスター、縁切るの嫌がるじゃない?あの人達、切ってよかったの?」
「…いいんだよ」
外は暗く、雨が降っていた
「どうして?」
「あの人達の縁はね、前世で途切れてしまっていたんだよ」
「でも、あの男…」
強くサクヤを思っていた男。縁が途切れていたようには思えない
「…あの二人、死に別れたんだ」
「え…」
「だから、後から死んだあの男性がずっと思い続けた。
サクヤさんは、幸せだったから思い残すことはなかったみたいだ」
「…そんな事も、あるんだね」
二人とも下を向いた
「…あの二人は、そのまましておくと危なかった。だから切ったんだよ」
「マスターがそれでいいなら、それでいいよ」
でも僕達はそうならないといいな…という、イルの呟きだけが静かな店内に響いた。
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