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season #21
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「もう終わりなの?」
和哉の言葉に、修と淳一は顔を見合わせ、視線を逸らす。
「残念。いい写真が撮れると思ったのに。ね?智?」
智はブンブン首を横に振った。
修はそんな智に気づいて、自分の方へ智の手を引っ張る。
「何もされてない?」
「俺が智の嫌がることするわけないだろ!」
淳一が修の肩に手をかける。
「わからないからね。」
修は淳一を睨みつける。
「二人とも!」
智が声を荒げる。
「いい加減にしないと、おいら本気で怒るからな!」
言葉とは裏腹に、智は泣きそうな顔で二人を見る。
修と淳一がシュンとなると、すかさず和哉がシャッターを切る。
「はい。珍しい顔いただきました。」
和哉はニコッと笑う。
「ちゃんと仲直りして。」
智は二人の手を取ると、無理矢理握らせる。
二人は握らされた手に目をやり、そのまま相手を見る。
急いで手を引き離し、お互いプイッと背中を向ける。
「全く、昔から変わらないね。」
和哉が呆れたように肩をすくめる。
「ケンカするほど仲が良いんだよ。この二人は。」
智が二人を交互に見て、眉毛を下げる。
「今回の原因はおいらだから。」
智が悲しそうに顔を歪ませる。
「違う!智のせいじゃない!」
「そうだよ。俺らの問題だから!」
修と淳一が交互に叫ぶ。
「俺らじゃねえだろ?」
「アンタが後なんかつけてくるのが悪いんだろ!」
「後なんかつけてねぇよ。偶然、部活の時間が同じだっただけだろ!」
「へぇ、偶然ねぇ?」
二人が睨み合うと、和哉が大きく溜め息をついた。
「いい加減にしなさいよ?これ以上智を困らせてどうするの。」
二人はハッとして智を見ると、智は悲しそうに二人を見つめる。
「ごめん……。」
淳一が下を向く。
「……ごめん。」
修は智から視線を外してつぶやく。
「はい。じゃ、これはこれで終わり!最後はみんな仲良く写真撮るよ。」
和哉がカメラを構える。
智を真ん中にそっぽを向く二人。
「二人ともこっち向いて。智笑って。智は笑ってる顔が一番可愛い。」
和哉は、カメラをちょっと外してニコッと笑う。
智はつられて笑顔になるが、そっぽを向いてる二人に目をやると、
また悲しそうな顔になる。
「お二人さん、智を悲しませたいわけ?」
和哉の言葉に二人は無理矢理、笑顔を作る。
「もっと可愛く笑ってよ。イケメン二人なんだから。これじゃ、売り物にならないよ。」
和哉が肩をすくめて見せる。
「これ、売るのかよ!」
文句を言う修を尻目に、淳一は智に向って極上の笑顔を作る。
「ジュン君……。」
智も微笑む。
「この笑顔は智にだけだから。」
淳一が智にウィンクする。
「いいですねぇ。ジュン君。修ちゃんは?」
修も頑張って笑顔を作る。
肩頬を引きつらせながらウィンクする。
「しゅ、修君……。」
智がプッと噴出す。
「修ちゃん、ウィンクもできないの?」
淳一が右、左、右と自在にウィンクして見せる。
「う、うるせぇ!それくらいできるよ!」
修も智に向ってキメ顔を作ると、ウィンクしてみせる。
「やればできるじゃないですか!」
和哉が大げさに驚くと、カメラを構える。
「はい、みんな、こっち向いてウィンクして。」
三人は並んで一斉にウィンクした。
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