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最悪ノ出会イ 2
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学校からの一本道、住宅街へ入り曲がり角を曲がる。
見えてくる一軒の建物へと真っ直ぐ向かい
ガラガラと横引きのガラス戸を開けた。
「ばっちゃん煙草くれ!」
本棚が立ち並ぶ店の奥のレジ台に近付き、声を張り上げた。
制服姿に身を包んだ少年は、誰もが振り返るほどの美形であり
薄暗い店内はその金色の髪のせいかどこか明るくさせるようであった。
しかし月人はこそこそと煙草を購入する必要があった。
それは勿論一応自分が高校生のふりをしているというのもあるのだが、
自分が完璧であるが故に堕落した娯楽に身を落とし込んでいることが許せないのだ。
しかし抜けられないのが煙草マジック。
そしてこの店は、昔はたばこ屋であったが時代と共に姿を変え、今は古本をメインに取り扱う店。
人の良い老婆が 一人で切り盛りし、本だけでなく日用品も取り扱っているご近所密着型のショップだ。
いつもはレジ台という名のちゃぶ台でお茶でも啜っている彼女は奥に引っ込んでいるのか見当たらない。
レジ台の後ろには自宅に続く戸があるが今は閉められている。
「あれ…いつもならすぐ出てくるのに…」
時々家事などで自宅の方にいることもあるが、
呼べばすぐに出てきてくれる。
月人は形のいい眉を寄せ、しんとした戸を見つめた。
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