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最悪ノ出会イ 3
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「....具合でも悪いのか?」
不意に心配になるのだが
もしかしたら聞こえなかっただけかもしれない。
もう一度声を出そうとした瞬間、
横引きの戸が勢いよく開いた。
「うるせーよ未成年」
戸の向こうに立っていたのはいつもの老婆ではなく、
漆黒の髪を肩に流した銀縁眼鏡の青年だった。
黒いジャージ姿の青年は 眉間にシワを寄せこちらを見下ろしている。
今にも舌打ちが聞こえてきそうな不機嫌な顔だった。
「う、うるせえってなんだよ!お前誰だ!」
数秒ぽかんとしてしまったがすぐに言い返す。
モデル並みに背が高い!と自負している月人は常に見下ろす側であるため、
見上げてものを言う事がなんだか屈辱的に感じた。
それに店員にしては幾ら何でも愛想が悪すぎるのではないか。
「がなるなよーチワワか」
青年は後ろ手で戸を静かに閉めながらそう呟いた。
更に、めんどくせーなー、と呆れたように溜め息をついている。
一方月人は、チワワ…っ!?、と今まで当て嵌められたことのない動物を出され目を見張った。
せめてボルゾイとかホワイトシェパードとか、
足が長くてシュッとした犬に例えて欲しいものだ。
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